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トランプ元側近バノン、 欧州で極右の元締めに?

ニューズウィーク日本版 / 2019年5月29日 19時0分

フランスの極右政党、国民連合のマリーヌ・ルペン党首は、サルビーニの同盟に対する支持を表明した。だが彼女は5月26日の選挙までの間、バノンとの距離を広げようと試みており、記者団にバノンは「選挙運動にはまったく関係ない」と伝えている。

バノンは自身を選挙の単なる「オブザーバー」と語った。だが報道によれば、バノンは投票日前にパリでルペンと会っていた。

バノンはグローバルなポピュリスト運動のまとめ役になりたいと言う。フランスのルペンやハンガリーの極右ビクトル・オルバン首相、さらにはフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領までを結びつける役割を果たしたい、というのだ。

バノンはまた、ヨーロッパの右腕として、ベルギーの極右政党『人民党』党首のミシャエル・モドリカメンのような男を味方につけている。

だが、バノンの仲間のなかには、イタリアのサルビーニ一派と距離を置く者もいる。ハンガリーのオルバンやイギリスの「ブレグジット党」党首ナイジェル・ファラージだ。ファラージは、イギリスで欧州議会の第1党の地位を手に入れた今、国内の支持者を増やすため、極右路線からは離れつつある。

オルバンは、その反EU的な発言のために、欧州議会で中道右派の議員が所属する「欧州人民党グループ(European People's Party group/EPP)」から参加を拒否された。しかしそれでも、サルビーニのポピュリストグループには入らなかった。ポーランドの極右政党「法と秩序」もサルビーニの誘いを断っている。


※6月4日号(5月28日発売)は「百田尚樹現象」特集。「モンスター」はなぜ愛され、なぜ憎まれるのか。『永遠の0』『海賊とよばれた男』『殉愛』『日本国紀』――。ツイッターで炎上を繰り返す「右派の星」であるベストセラー作家の素顔に、ノンフィクションライターの石戸 諭が迫る。百田尚樹・見城 徹(幻冬舎社長)両氏の独占インタビューも。


クリスティナ・マザ


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