中国の逆襲「レアメタル」カード
ニューズウィーク日本版 / 2019年5月31日 11時51分
「えっ、中国にもこんなすごいカードがあったの?!」
ところが、この「ひとこと」を5月28日に環球時報が報じた。最初は胡錫進編集長がツイッターで「その可能性がある」という程度につぶやいただけなのだが、アメリカのメディアは、飛び上がるほどに驚き、その情報を受けて、又もや中国のネットも炎上した。
日本のメディアでは、この環球時報の編集長のツイッターが最初のシグナルだと受け止めているようで、誰一人、習近平の「江西視察」が「ゴーサイン」だったことに気が付いてないようなので、ここでは詳細にそのカラクリをご説明したわけだ。
もっとも習近平の「江西視察」によるゴーサインを読み解くことができなかったのは、日本のメディアだけではない。アメリカのメディアも同じだ。だから28日の環球時報のツイートを見て、アメリカメディアが驚き、世界中が驚き始めたという結果を招いている。
おまけに28日の夜には、中国の国家発展委員会の関係者がレアアースに関して記者の質問に回答したものだから、大変な騒ぎになった。
記者は「レアアースは中国の対米抵抗の武器になりますか?」という、非常に刺激的な聞き方をした。すると国家発展改革委員会の関係者は「もし、中国から輸入したレアアースで作った製品を使いながら、中国の発展を阻止する者がいれば、かん南の人民も、中国人民もみな、嬉しくは思わないだろう」と回答した。
これもすべて、5月20日の習近平による「ゴーサイン」を受けた、一斉の行動だった。
そのため、「中国が対米反撃のためにレアメタルの輸出を禁止するのか」というテーマで、中国のネット界だけでなく、全世界がざわめき出したわけだ。
そして「えっ、中国にもこんなすごいカードがあったんじゃない!」ということになった。
それを受けて、29日、環球時報は「中国はこんな凄いカードを持っていたの?これって、"キング・カード(ロイヤル・ストレートフラッシュ)"じゃないか」という趣旨の見出しの報道をしている。内容を説明していると長くなるので、詳細に知りたい方は、リンク先の英語や図をご覧いただきたい。
この中にはアメリカのネットユーザーのコメントもある。たとえば、
●@UnoDominus:"Trade Wars are Easy。" @realDonaldTrump
(トランプは"貿易戦は簡単に勝てる"と言ったんじゃなかったっけ?)
●@sinkspur:Trump started a war he cannot win。
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