互いの核実験を非難し合う米ロとともに、核軍拡が始まった
ニューズウィーク日本版 / 2019年5月31日 16時15分
ロシア政府は、まだ正式な反応を見せていない。だが、在ウィーン国際機関ロシア政府代表部のミハイル・ウリヤーノフ大使は、ロシアは「1980年代末以降、自主的かつ一方的に核実験モラトリウム(一時停止)を確立し、固持している」と述べたと、ロシア国営タス通信は報じた。
ウリヤーノフは、アシュリーが発言を裏づける証拠を提示していないことに触れた上で、アメリカ政府は条約を批准さえしていないと指摘。そして「アメリカには、核実験再開の用意を整えた状態で実験場を維持すると述べた」と続けた。「そうした姿勢は、アメリカのモラトリウムは信頼できず、彼らはいつでもそれを放棄しうるという証拠だ」
ABCによれば、ロシア下院国防委員会のウラジーミル・シャマノフ委員長はインタファクス通信社に対し、アシュリーの発言について、「きわめて無責任な発言だ」と述べた。そして、「核実験は秘密裏に実施できるものではない」と語り、こうした発言は逆に「アメリカで、軍の専門性が全体的に崩壊していることを露呈している」のではないかとの考えを示唆した。
(翻訳:ガリレオ)
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デービッド・ブレナン
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