北朝鮮「対米協議」失敗で高官を処刑? 衝撃ニュースの真実味
ニューズウィーク日本版 / 2019年6月3日 11時0分
もっとも、今回の粛清報道に関しては、北朝鮮メディアが裏付けになりそうなことを書いている。労働党機関紙「労働新聞」は30日、名前こそ挙げていないが、「裏切り者」を厳しく糾弾し、「冷厳な審判」が待っていると記していた。
金体制の性格を考えると、対米協議に関わった高官たちが(処刑はともかく)何らかの形で処罰される可能性は高いのかもしれない。「(金は)感情的で気が短く、冷酷な人物。自分が世界からどう見られるかは気にしない」と、戦略国際問題研究所のスー・ミ・テリー上級研究員は述べている。「誰かが失敗の責任を取らなくてはならない。もちろん金以外で」
粛清報道が正しければ、北朝鮮の非核化を目指すトランプ米政権にとってはさらなる痛手だ。アメリカと北朝鮮、韓国と北朝鮮の実務レベルの協議は止まっている。韓国外交筋と元米政府筋によれば、ビーガン北朝鮮担当特別代表などの米高官による働き掛けに対して北朝鮮は全く反応していないという。
高官たちが失脚していないとしても、トランプが金と最終合意に達することは難しいと、ヘリテージ財団のクリングナーは考えている。「アメリカと北朝鮮の溝はあまりに大きく、非核化の定義すら一致していない」
From Foreign Policy Magazine
<2019年6月11日号掲載>
※6月11日号(6月4日発売)は「天安門事件30年:変わる中国、消せない記憶」特集。人民解放軍が人民を虐殺した悪夢から30年。アメリカに迫る大国となった中国は、これからどこへ向かうのか。独裁中国を待つ「落とし穴」をレポートする。
ロビー・グレイマー
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