日本の天文衛星も影響を受けた流転のウクライナ製ロケット、カナダで受け入れへ
ニューズウィーク日本版 / 2019年6月10日 15時30分
情報ソースはウィキリークスであるため慎重な判断を要するが、2019年3月にアメリカとブラジルはもう一度TSAに署名したという事実がある。今回、アルカンタラ射場から打ち上げを行う候補として名前が上がっているのは、アメリカの小型ロケット開発企業、ベクタースペースシステムズだ。
トランプ大統領は「ブラジルは赤道に近く、打ち上げに理想的だ」とコメントしたというが、皮肉なことに赤道に近い射場の利点が下がっている、との見方もある。赤道から地球の自転を利用してロケットを加速する打ち上げは、大型の静止通信・放送衛星にとっては好都合だ。しかし現在はスペースXのスターリンク計画など、南北の軌道を利用するコンステレーションと呼ばれる低軌道衛星網の計画が静止衛星に取って代わろうとしている。サイクロン4はカナダへ移転したことで、衛星市場の変化をやり過ごしたかもしれない。
政治に翻弄されたサイクロン4ロケットだが、さらにその影響を受けたナノジャスミン衛星の打ち上げロケットはまだ決まっていない。2018年には海外の小型ロケット企業が打ち上げを引き受ける可能性が浮上した、という光明があった。今度こそ、落ち着いて衛星の実力を発揮できるよう祈るばかりだ。
Maritime Launch Services Spaceport Animation
秋山文野
この記事に関連するニュース
-
Synspective、米Rocket Lab社と今後10機の衛星打上げに合意
PR TIMES / 2024年6月19日 13時40分
-
Synspectiveが米・Rocket Labと今後10機の人工衛星打ち上げに合意
マイナビニュース / 2024年6月18日 14時51分
-
ロケットラボ、NASAの超小型衛星「PREFIRE」2機目の打ち上げに成功
sorae.jp / 2024年6月6日 9時36分
-
ロケットラボ、NASAの超小型衛星「PREFIRE」1機目の打ち上げに成功
sorae.jp / 2024年5月27日 20時49分
-
リトアニアがアルテミス合意に署名、40カ国目の参加国。近年は日本との協力プロジェクトも
sorae.jp / 2024年5月25日 11時49分
ランキング
-
1日本国旗を踏みつける子どもの映像に中国で批判の声
Record China / 2024年6月17日 11時0分
-
2ジョージアのEU加盟、「スパイ法」成立で事実上凍結=EU大使
ロイター / 2024年6月20日 7時25分
-
3北朝鮮、軍事境界線越え道造成か 専門サイト報道
共同通信 / 2024年6月19日 21時58分
-
4韓国観光業界が嘆く「中国人が戻ってこない」理由
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月20日 15時25分
-
5中国的伝統濃い台湾に残る日本統治の遺物 台湾有情
産経ニュース / 2024年6月20日 7時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください