世界に誇る『ゴジラ』シリーズ化の原点は、1955年公開の2作目だった
ニューズウィーク日本版 / 2019年6月14日 17時15分
「暴龍」の肩書をもつアンギラス。ゴジラよりも巨大で、背中にトゲがついた甲羅をもつアンキロサウルスの怪獣だ。 © 1955 TOHO CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
数回のNGを出したという大阪城破壊シーン。二大怪獣の激突による破壊スペクタクルは本作ならではといえる。 © 1955 TOHO CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
終戦から10年。戦時中、旧日本海軍にいた航空防衛隊員もゴジラに挑む。人間対ゴジラの戦いはここから始まった。 © 1955 TOHO CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
物語は魚群探査機パイロットの月岡が、島に不時着した同僚・小林の救助に向かった際に、ゴジラと新たな大怪獣を目撃するところから始まる。直ちに大阪市警視庁は山根、田所両博士を招き、緊急会議を開く。
東京の惨事を知る山根は、水爆実験の記憶で光を憎悪するゴジラの性質を踏まえ、徹底した灯火管制を提案。しかしゴジラは大阪湾内に侵入し、新怪獣アンギラスまで上陸。ついに二大怪獣は大阪を蹂躙し、市街は猛火に包まれる。やがて舞台は北海道へと移り、月岡は航空防衛隊員となっていた戦友と再会。月岡と小林もゴジラ攻撃に参加する
特撮には東洋一の大型ステージ(500坪)が設けられ、大阪市街のミニチュアセットが綿密なロケハンのもとに組み立てられた。前作の経験から特殊技術は飛躍的な向上を遂げていたが、大阪城のミニチュアの破壊では、数回NGを出すこととなった。
また、真冬の撮影ながら、氷山のセットには、製氷業者から特注の氷が毎日50本用意された。中島春雄の演じるゴジラの着ぐるみもアクションを前提に新調。今回も何らかの形でゴジラを葬るというのではなく、氷の中に閉じこめる結末を選んだ。ゴジラの冷凍化がその後の復活に結びつくとは、この時まだ誰も想像しなかった。
1955年4月24日公開時のポスター。出演は小泉博、千秋実ほか。前作から同じ役柄の出演者は志村喬のみ。以降ゴジラの新作は、7年後まで待たなければならない。 © 1955 TOHO CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
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『ゴジラの逆襲』
1955年
絶妙なダークトーンのモノクロ映像が、怪獣対決シーンの迫力をさらに訴求。何度でも観たくなる、ゴジラシリーズの傑作。
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