イスラエル、ゴラン高原の入植地を「トランプ高原」と命名
ニューズウィーク日本版 / 2019年6月17日 16時0分
この発言はアメリカ国内からも国際社会からも批判を招いた。イスラエルがゴラン高原を占領したのは67年の第3次中東戦争の時で、1973年の第4次中東戦争では奪還を目指すシリアが奇襲を行ったもののイスラエルの反撃に遭った。イスラエルは1981年に正式にゴラン高原の併合を宣言したが、国際社会からは承認されていない。
このトランプの決断を、シリアのバシャル・ジャファリ国連大使は厳しく非難した。
「ゴラン高原はわれわれのものであり、(いつか)返還されるだろう」と3月末にジャファリは述べた。「アメリカは広大な国だ。アメリカの州を1つか2つ、イスラエルにくれてやればいいものを」
トランプはこれまで一貫してネタニヤフを支援してきた。ゴラン高原の主権に関する発言にしても、ネタニヤフが選挙を有利に進められるようにタイミングを計ったとの見方が専門家からは出ている。またトランプは1917年12月、過去数十年にわたるアメリカの外交政策を覆し、エルサレムをイスラエルの首都として公式に承認。昨年にはアメリカ大使館もエルサレムに移転させている。ちなみにパレスチナ人も自分たちの首都はエルサレムだと主張している。
(翻訳:村井裕美)
ジェイソン・レモン
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