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イヌは人間の心を動かす表情を進化で獲得した......ではネコは?

ニューズウィーク日本版 / 2019年6月27日 11時50分

ネコは飼い主との間に強いきずなを持っている

辛抱強い研究のおかげで、ネコとヒトとのコミュニケーションのあり方が解明されてきている。ネコは飼い主との間に強いきずなを持っていて、ネコと一緒にいる部屋から飼い主が出ていってしまうと寂しげに鳴き始める。まるで2歳の子供がトイレに入る母親を追いかけるようだ。飼い主が戻ってくると安心して体を飼い主に擦り付け、それから何事もなかったかのように部屋の隅の匂いをかいだり、おもちゃで遊んだりしはじめる。これは飼い主に関心を持たないのではなく、心を安定させる「セキュリティブランケット」のように飼い主をみなしているのだという。

大好きな飼い主の言葉には、一定の「説得力」があることもわかってきた。多くのネコは掃除機や扇風機などうるさい音を出すものが嫌いだ。だが、ヴィターレの指導で、飼い主が実験室の扇風機をネコに紹介しながら「素敵な扇風機ね」「扇風機と友達になりましょう」と優しく話しかけると、ライラという名のネコは扇風機の傍らでおとなしく横になる。飼い主・クララの言葉に含まれた肯定的な感情を読み取って、敵意や警戒心を減らすことができるのだ。

そして、カールという名の白黒の毛並みを持つネコは、20年前にイヌのオレオがやり遂げたのと同じ成果を上げた。ヴィターレの指差しを正しく認識し、指が向いた紙製ボウルの方向に視線を向けたのだ。なんの特徴もない紙製ボウルは2つあり、指差しの意味がわかっていなければ意図する方を見ることができない。道端のゴミバケツに捨てられていたところを保護されたというカールだが、今ではヴィターレと強い絆を結んだ研究室のスターだ。

ミクロシは現在、イヌが持っている「動物」「風景」などの絵を分類する能力をネコも持つかどうかの研究を始めているという。イヌと同様にネコも高度なコミュニケーションを持つ、という研究が進み、進化の過程と共に明らかになりつつある。



Cats rival dogs on many tests of social smarts. But is anyone brave enough to study them?

In Other News | Dogs evolved 'puppy dog eyes' to appeal to humans


秋山文野


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