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ネオナチに飲ませる酒はない! 住民がビール買い占め ドイツ夏フェス

ニューズウィーク日本版 / 2019年6月28日 15時40分

Wir haben das Bier. Und tschuss!!#Ostritz pic.twitter.com/NFmaLPoLXv— Hanz Christian (@HanzChristianNL) 2019年6月23日


Ostritz in Sachsen: Bürger kaufen Biervorräte auf - aus Protest gegen Neonazis https://t.co/ektLXuPW3T pic.twitter.com/DHDmGlaGBN— DER SPIEGEL (@DerSPIEGEL) 2019年6月22日


会場には他地域からの応援部隊も含めた1,400人の警官が配置され、警察もアルコール没収の様子などをこまめにツイートした。今年のフェスティバルでは開催前に750人の参加登録があったようが、土曜日には600人、さらに夜までには500人に減り、結果として昨年の半数以下になったようだ。

ザクセンのミヒャエル・クレッチマー州知事は「このような小さな町で......ここには極右の居場所はないということを明確にするために住民が立ち上がったことをとても誇りに思う」と、地元住民の対応を称賛した。



極右の代名詞になりたくない

オストリッツは今回、なぜこのような強い意思表示をしたのだろうか。

経済格差により旧東ドイツ圏は極右思想や白人至上主義が誕生しやすい傾向にあったが、政府の移民受け入れを拡大した2015年頃からさらにその勢力は増し、昨年は同じくザクセン州にあるケムニッツで数度にわたって暴動が発生、世界中で報道された。また、昨今の反ユダヤ思想の高まりや、今月初めの、移民擁護派の政治家が極右主義者に射殺された事件などで、社会全体が極右に対して敏感になっているところだ。

ケムニッツと同じザクセン州にあるオストリッツでも極右は勢力を強めている。BBCによると、2017年の連邦選挙において、この地域の約30%が極右政党であるAfD「ドイツのための選択肢」に投票したが、多くの住民はこの町を極右の代名詞のようにはしたくないと思っている。

実は今回、地元住民だけでなく、他の地域からも極右に反対する人たちがオストリッツに集い、その数は3,000人にものぼったという。住民とこれらの同志たちは、レインボーフラッグ(性的マイノリティの象徴とされる)を掲げて集会を開き、ビール買い占めと同時に平和的な手段で反極右の立場を明示した。

警察と一般市民の協力の甲斐あってか、今年のロックフェスティバルでは、壇上で覆面をしたミュージシャンが警察に拘束された(公共の場での覆面はドイツでは禁じられている)ものの、とくに大きな暴力沙汰はなかったようだ。

購入されたビールはどうなるのだろう? 平和集会のオーガナイザーでもあるIBZのミヒャエル・シュリット会長は、市民参加の規範を示せたことを讃えたうえで、購入されたビールは今回の抗議に関わった人々に飲まれるべきだとし、「すぐに素敵なパーティーを開き、人々を招待する」と語っている。



OSTRITZ: Strenge Auflagen für Treffen von Neonazis und Rechtsextremen







モーゲンスタン陽子


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