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ビジネスの交渉に必要なことはすべてCIAが知っている

ニューズウィーク日本版 / 2019年7月2日 18時40分

カールによれば、「交渉の成功には7段階の心理評価と......そう、心理操作が求められる」。そしてその「心理操作」とは、以下の7つだ。

1. 意思決定者を見極めよ
2. 相手の心理を読み切れ
3. 信用を勝ち得よう
4. 相手の認識を操れ
5. 相手の天使になれ
6. 相手に花を持たせよ
7. 文化的特徴を理解する

詳細は本誌に譲るが、諜報活動の本質は人心掌握術、すなわち「ターゲットの心理」を知り抜くことであり、それは交渉も同じだという。工作員は飛行機から飛び降りたり、別人に成り済ましたりもするが(そう、あなたの持つイメージはまったくの間違いではない)、「それらはただのテクニックであり、2次的な要素にすぎない」と、カールは言う。



7つ目のポイントである「文化的特徴を理解する」に関連し、カールは本特集に「国別ビジネス攻略ガイド」も寄せている。

世界最強の諜報組織CIAのスパイは、今なお世界中で国民性や文化・伝統の違いを踏まえた工作活動を続けている。彼らのノウハウは一般のビジネスパーソンにも応用可能だが、各国の「違い」をどう具体的に現実の交渉に反映すべきか。アメリカ、フランス、アラブ諸国、インド、中国、ロシアの国情を熟知した元工作員グレン・カールが、各国・地域で難攻不落の相手を陥落させる秘訣を解説する。

例えばアラブ諸国では、「交渉ですぐに本題に入ろうとするのは禁物。まず敬意と恭順を示し、それから熾烈な駆け引きに備えよう」と解説。一方、フランスでの交渉は「相手の年齢や地位に適したエチケットが肝心だ。個人的な関係を築いて、社会的な地位や義務といった壁の内側に入れば、時にはルールを曲げることもできる」という。

まさかCIAから、グローバルビジネスに有用な交渉のテクニックを学べるなんて――そう驚く人もいるかもしれない。それらは、イーサン・ハントからは学べないが、グレン・カールなら惜しげもなく教えてくれる。


※7月9日号(7月2日発売)は「CIAに学ぶビジネス交渉術」特集。CIA工作員の武器である人心掌握術を活用して仕事を成功させる7つの秘訣とは? 他に、国別ビジネス攻略ガイド、ビジネス交渉に使える英語表現事例集も。




ニューズウィーク日本版編集部


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