あらゆる殺虫剤に耐性を持つゴキブリが激増中
ニューズウィーク日本版 / 2019年7月3日 18時15分
一種類の殺虫剤だけを用いた実験では、使用した薬剤に対する耐性が低かったため、ほとんど完全に駆除できた。だが同じように1種類の殺虫剤を使って別の実験を行うと、ゴキブリの耐性が上がり、最終的には個体数が増加したのだ。
シャーフによると、この実験で生き延びたゴキブリは、同じタイプの殺虫剤が「基本的に効かなくなる」だけでなく、そのゴキブリの子孫にも耐性が受け継がれる。さらに驚くべきことに、これらのゴキブリには、「それまでに散布されたことがなく耐性も持っていない」はずのほかの殺虫剤も効かなくなってしまうという。
「たった一世代で、耐性が4倍から6倍に上昇することが確認された。これほどのスピードでこのような現象がなぜ起きるのか、理由は全くわからない」とシャーフは述べた。
シャーフによれば、メスのゴキブリの繁殖サイクルは3カ月で、50匹の子が生まれる。たとえ少数でも殺虫剤が効かないゴキブリが発生すれば、問題はすぐに拡大する。最初は殺虫剤でほとんど駆除したと思っても、耐性を身つけたゴキブリが、数を何倍にも増やして逆襲してくる可能性があるからだ。
対策としては、殺虫剤を使った駆除に、捕獲装置や衛生環境の向上を組み合わせるしかない、とシャーフは言う。
(翻訳:ガリレオ)
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ジェイソン・マードック
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