今さら聞けない、先物取引がマーケットを動かす理由
ニューズウィーク日本版 / 2019年7月19日 11時10分
これは、チャイナ・ショックで相場が大きく動いた2015年度に次いで過去2番目の水準で、米中貿易摩擦などへの懸念から、ヘッジ取引や利ザヤ稼ぎの売買が増えたことが要因と見られています。
対して、2018年度の日経平均株価の終値は2万14円77銭。年間で2,750円(12%)安と7年ぶりに下落しました。
日本株の下落が大きくなった背景には、海外投資家の売りがあります。現物株と先物を合わせた売越額は約13兆円。これは、1987年度以来31年ぶりの大きさでした。
このうち現物株の売り越しが6兆円弱で、先物は7兆円。現物株を上回っています。日本株の下落は、外国人投資家による先物取引の影響が大きかったことがわかります。
現物株の売買代金で6割、先物で7~8割を占めると言われる外国勢の売りに対して、買いの主体は日銀です。ただ、日銀は年間6兆円ものETF(上場投資信託)を買いましたが、まったく太刀打ちできませんでした。
このように、先物市場は現物株にも大きな影響を与えます。自分は現物株しか取引しないから関係ないと思わず、先物市場の動向にも目を向けてみれば、それまで見えていなかったものが見えてくるかもしれません。
[筆者]
山下耕太郎(やました・こうたろう)
一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴20年以上。現在は、日経225先物・オプションを中心に、現物株・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。趣味は、ウィンドサーフィン。ツイッター@yanta2011 先物オプション奮闘日誌
※当記事は「株の窓口」の提供記事です
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山下耕太郎 ※株の窓口より転載
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