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ロシア製最先端兵器を買ったトルコから崩れはじめたNATOの結束

ニューズウィーク日本版 / 2019年7月19日 15時30分

アメリカは既に、S400とSu35の購入を理由に中国に対して制裁を科している(それでも中国政府は今後もS400とSu35を買い足す意向と報じられている)。同盟国のトルコにも制裁を科すのかどうか、注目だ。

アメリカのF35は、既にオーストラリア、カナダ、デンマーク、イスラエル、イタリア、日本、オランダ、ノルウェー、韓国やイギリスなど多くの国が購入を決定している。7月はじめまで米国防総省のF35プログラム事務局長を務めていた米海軍のマティアス・ウィンター中将は4月、米下院軍事委員会で、将来的には「シンガポールやギリシャ、ルーマニア、スペインやポーランドなどの国も」F35を導入する可能性があると証言した。

トルコと対立のギリシャはF35購入検討

ギリシャの日刊紙カティメリニは6月、情報筋の発言を引用し、ギリシャ政府がF35の購入を真剣に検討していると報じた。地中海東部の天然ガス田をめぐってトルコとの緊張が高まるなか、ギリシャ政府はアメリカと防衛関係を強化したい考えだ。

いずれもNATO加盟国であるギリシャとトルコは長年、対立関係にあるが、トルコ政府が北キプロス沖で石油・天然ガスの掘削を行うと決めたことから、再び対立が激化しつつある。キプロス島は1974年のクーデターによって南北に分断され、北キプロスはトルコが支配、南キプロスはギリシャと密接な関係にある。

EUは、キプロス沖でのガス採掘を理由にトルコに制裁を科しているが、トルコはこれを無視している。この問題は、訪米中のギリシャのニコス・デンディアス外相とマイク・ポンペオ米国務長官の会談でも話題にのぼった。デンディアスは、ポンペオと「キプロス共和国(南キプロス)の主権、およびエーゲ海と東地中海のギリシャの主権に対するトルコの侵略行為」についても話し合った、と語った。

(翻訳:森美歩)


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トム・オコナー


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