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トランプの公約「財政赤字の削減」は大嘘だった

ニューズウィーク日本版 / 2019年7月29日 17時30分

<参考記事>トランプ政権発足から2年、守った公約、守っていない公約

トランプは大統領候補として「他の共和党員のように」「メディケア(高齢者医療保険制度)やメディケイド(低所得者医療保険制度)を削減するつもりはない」と約束していた。しかし予算案はメディケイドを1.5兆ドル、メディケアは8450億ドルの削減を盛り込んでいる。今回、トランプ政権が提出した予算案の規模はアメリカ史上最大であり、歳出総額は4兆7500億ドルにのぼる。



議会下院の民主・共和両党は7月25日、債務上限など予算の大枠を決める予算管理法案で合意した。これによって今後2年の歳出上限は3200億ドル(約34兆円)まで拡大し、債務上限も引き上げることができる。それだけ財政赤字膨張の余地ができたということだ。

民主党は人気のある社会保障プログラムの削減に強く反対し、代わりに共和党とトランプが要求する国防費の大幅な増加を認めた。

トランプは喜び、上院にも法案の成立を求めた。彼は国防支出の大幅な増加が兵士と退役軍人にとっての勝利となると主張する。だが同時にそれは、財政赤字垂れ流しの元凶だ。

赤字急増のもう一つの大きな原因は、トランプ政権の目玉政策である大型減税だ。減税のせいで、今後10年間、国の債務は2兆ドル近く増えるとみられる。

トランプの減税は富裕層や企業に大きな利益をもたらすが、トランプと共和党は、支出と投資の増加を通じていずれ財政均衡に向かうと主張してきた。その約束は、今のところ実現しそうにない。

(翻訳:栗原紀子)


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ジェーソン・レモン


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