中国政府、香港のデモ隊を威嚇
ニューズウィーク日本版 / 2019年7月30日 14時15分
<参考記事>香港の若者は、絶望してもなぜデモに行くのか
香港政府は29日に声明を発表。「法と秩序を無視し、治安を乱した過激なデモ隊を強く非難する。警察が、全ての暴力行為を阻止するために法を厳しく施行することを、今後も全面的に支持する」と述べた。
香港のジャーナリスト、クリス・チェンは(カタールを拠点とする衛星テレビの)アルジャジーラに対して次のように語った。「デモを支持する公務員たちがストライキを呼びかける動きもあり、政府内部の亀裂が深まっている。今後、政府職員が政府に反旗を翻す可能性もある」。チェンはまた、政府がデモ隊の要求に応じない限り、状況は改善しないだろうとの見方も示した。
アルジャジーラ英語版と豪ABCテレビと契約しているフリー記者のサラ・クラークは、香港から現地情勢をリポートし、「政府とデモ隊、どちらも譲歩の姿勢を見せていない。どちらも引き下がりそうにない」と伝えた。
香港の民意は、デモ参加者のフォン・ルクの言葉に集約されている。「これまで全ての抗議デモに参加している。覆面は一度もつけていない」とルクは語った。「何も悪いことはしていないからだ。悪いことをしているのは権力を握っている奴らだ。いま必要なのは、林鄭月娥(行政長官)が辞任すること。彼女は香港を統治できていない」
もう一人のデモ参加者であるフェルナンド・チェンは、今後暴力がさらにエスカレートする可能性があるとして、こう警告した。「ことによっては死者が出る可能性もあると考えている」
(翻訳:森美歩)
※8月6日号(7月30日発売)は、「ハードブレグジット:衝撃に備えよ」特集。ボリス・ジョンソンとは何者か。奇行と暴言と変な髪型で有名なこの英新首相は、どれだけ危険なのか。合意なきEU離脱の不確実性とリスク。日本企業には好機になるかもしれない。
ジェームズ・パターソン
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