北朝鮮、過去最大級の潜水艦の実力は
ニューズウィーク日本版 / 2019年8月1日 15時45分
北朝鮮は2015年以降、北極星1号(KN-11)とみられるSLBMを少なくとも5発、発射している。一連の発射実験の結果はまちまちだが、2016年8月の実験では、シンポ型潜水艦から発射されたとみられる北極星1号が約500キロ飛行し、日本の防空識別圏内に落下した。
戦略国際問題研究所(米シンクタンク)のミサイル防衛プロジェクトは、北極星1号の射程距離を最大1200キロと推定している。北極星1号は、改良型の地上発射型ミサイル北極星2号(KN15)と共に「開発中」の兵器に分類されている。
韓国軍の合同参謀本部によれば、北朝鮮は7月31日に短距離弾道ミサイル2発の発射実験を行った。高度は約30キロ、飛行距離は最大250キロと推定されている。北朝鮮は7月25日にも短距離ミサイル2発の発射実験を行っており、この時の飛行距離は約600キロ、最大高度は約50キロだった。
朝鮮中央通信は8月1日、発射されたミサイルは「新型の大口径のロケット砲」だったと発表。金正恩が「新兵器の標的になる勢力にとって避けられない打撃になる。本当に素晴らしい」と語り、満足していたと伝えた。
韓国軍はまた、25日に発射されたミサイルについて、ロシア製の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」に似ているとの見方を示していた。イスカンデルのシステムからは高速度・低高度のミサイルを発射することが可能で、米軍が導入しているTHAAD(高高度防衛ミサイル)システムにとって大きな脅威になりかねない。
(翻訳:森美歩)
※8月6日号(7月30日発売)は、「ハードブレグジット:衝撃に備えよ」特集。ボリス・ジョンソンとは何者か。奇行と暴言と変な髪型で有名なこの英新首相は、どれだけ危険なのか。合意なきEU離脱の不確実性とリスク。日本企業には好機になるかもしれない。
トム・オコナー
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