英国:若い世代のテレビ離れで、政治家はアピール方法を考え直す必要性
ニューズウィーク日本版 / 2019年8月6日 19時0分
英国議会では昨年11月、9カ国が参加する国際公聴会を開いた際に、誤情報やフェイクニュースについて証言するようフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOに要請。しかし同氏が拒否したため、議会は妥協案としてビデオ会議での出席を提案したがこれも拒否されている。
TVを見ない世代、政治家は別アピールが必要か
オールドメディアを選ぶかニューメディアを選ぶかは、年齢によって違いが顕著に見られた。65歳以上がニュースを取り入れる方法として最も多かったのがテレビ(95%)で、インターネットが最も少なかった(40%)。16〜24歳では、インターネットが最も多く(83%)、紙の新聞が最も少なかった(20%)。
テレビでニュースを見る時間については、年間平均で99時間(1日に換算すると約16分)だった。65歳以上だと年間平均204時間(1日約33分強)だったが、16〜24歳だと年間平均17時間となり、1日に換算するとわずか2分強だった。
英ガーディアン紙はこの傾向について、若い世代のテレビ離れを指摘する。通常、テレビでニュースを見るのは、人気ドラマを見て、そのままチャンネルを変えずにいたところで始まる次のニュース番組を見る、という流れだと同紙は説明。しかし若い世代は、ネットフリックスなどで配信される番組を見ているため、必然的にテレビでのニュースを見なくなってしまったのだという。
すべてのプラットフォームをひっくるめて、最もよく見られているニュースはBBC1だが(58%)、このままニュースの視聴スタイルが変わると、政治の世界にも影響する可能性があるとガーディアンは指摘する。というのも、英国の政党は自分たちのメッセージを国民に伝える方法として、BBC1の夜10時のニュースを重要視してきた。このままテレビでのニュース視聴が減ると、政党は国民に語りかける方法を考え直す必要が出てきそうだ。
松丸さとみ
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