「アメリカはもはや正義ではない」米学生の6割
ニューズウィーク日本版 / 2019年8月16日 14時50分
<アメリカの学生が良心に目覚めた? 世界を不安定化させるトランプの横暴に嫌気が差した?>
アメリカはかつて、世界を良くする「正義」の大国だったが、今のアメリカに正義はない──アメリカの大学生の多くがそう考えていることが、最新の意識調査でわかった。
2020年の大統領選で、有権者に占める大学生の割合は多くない。それでも、多くの学生が初めて投票権を持つことなり、なおかつ彼らの投票率は高いと予想されるため、選挙のプロや調査会社は、学生の問題意識や、彼らが世界をどう見ているのかを探ることに力を入れている。
教育ITサービス企業の「チェグ」が今年6~7月に実施した「アメリカが世界に果たす役割」についての意識調査では、過半数の学生がアメリカを正義と見ていないことがわかった。
<参考記事>FBI:中国は米大学にスパイを送り込んでいる
ドナルド・トランプ大統領の就任以来、アメリカの国益を優先させる「アメリカ第一主義」で強硬な外交を展開し、世界を引っ掻き回してきた。トランプ支持者も喝采を送った。一方で、トランプの外交政策には批判もつきまとう。ロシアや北朝鮮の独裁者に対する融和的な態度とも相まって、同盟国の信頼を損なっているという厳しい声もある。
「アメリカ=正義」は37%だけ
調査対象の大学生1001人のうち、アメリカが現在も「正義」かという問いに「強く同意」したのは12%で、「同意」が25%(計37%)。これを「否定」または「強く否定」した回答者は30%にのぼった。
アメリカがかつては「正義」だった、という問いには、51%が「同意」または「強く同意」と答え、現在よりも過去を高く評価している。
<参考記事>米富裕層から大統領候補へ「私たちに課税して下さい」
この調査は、チェグが昨年から実施している「学生の現状」調査の一環で、大学2年生と4年生を対象に学生の意識を探るのが目的だ。対象学生のうち43%が民主党支持、36%が共和党支持、18%が支持政党なしだった。
アメリカの二大政党制については、「機能していない」と考える学生の方が「機能している」と考える学生よりも多かった。一方、6割近い学生が、自分の政治的な希望を実現するのは結局、2大政党のどちらかだろうと回答した。
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ジェニ・フィンク
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