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世界が発想に驚いた日本の「ロボット尻尾」、使い道は?

ニューズウィーク日本版 / 2019年8月16日 17時20分

<この発想はなかった、さすが日本、と世界中が感心したまったく新しいロボットとは>

慶應義塾大学の研究チームがロボットの尻尾(robot tail)を開発した。高齢者などが立ったまま姿勢を保つときなどに、バランスをとる助けをしてくれる。尻尾のない人間に尻尾のウェアラブルとは。7月末にロサンゼルスで開催されたコンピューター科学の国際会議「SIGGRAPH」に出品されるや、世界中で話題となった。

<参考記事>ロボットとセックスする新時代の大問題

ロイター通信によると、研究者チームが開発したのは「Arque」と呼ばれる約1メートルの機械。動物の尻尾とそっくりの動きをする。

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の「身体性メディア」プロジェクトの一環としてロボット尻尾を開発した大学院生の鍋島純一が、自らウエストにベルトでロボット尻尾を装着し、仕組みを説明している。



「この尻尾が振り子の役割を果たして身体のバランスが保てるようになっている」と鍋島は話す。「身体が片方に傾くと、尻尾はそれとは逆の方向に動く」

先進国のなかで最も急速に高齢化する日本だからこその発想だ。日本では、急速な高齢化に備える研究が盛ん。高齢者の健康を守ろうとするなかで出てきた研究の一つが、自分の足で立ち続けるためのロボット尻尾だ。

空気圧を利用して4つの人工筋肉を操り、8方向に動く。今後さらに細かい動きを再現するため、研究を続ける予定だ。

人工の尻尾は、高齢者はもちろん、バランスがくるって歩行が困難な病気の人にも有益だ。労働者にも活用してもらいたいと、研究者はいう。重い荷物を持ち上げて運ぶ仕事で、身体を安定させるためにも使えるようになるという。

鍋島は「人工尻尾の開発をさらに進めて、日常生活のちょっとした場面でも利用できるようになるのが理想だ」と述べた。

<参考記事>日本はもはやロボット大国ではない!?論文数で7位に転落

もっとも、尻尾を付けた高齢者が孫の顔を見たとき、嬉しさのあまり勝手に尻尾が動くのかどうかまでは確認できていない。

(翻訳:ガリレオ)


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