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「グリーンランド売らないなら行かない」トランプ訪問中止の非礼にデンマークで驚きと怒り

ニューズウィーク日本版 / 2019年8月22日 17時10分



デンマーク国民党の共同創設者で、デンマーク国会の議長も務めたピア・グラスゴーは、トランプの訪問中止は、デンマーク王室への「敬意を完全に欠いた」決定だとツイートした。

「トランプ大統領は、私たちがグリーンランドの売却を望んでいないことを理由に、デンマーク訪問中止をツイッターで発表した......これはデンマークの人々と、彼を招待した女王に対する礼節を欠いた振る舞いだ」

1980年代に保守派政権で外相を務めた老政治家ウフェ・エレマンヤンセンも、「わが国の女王に対する侮辱」だとトランプの決定を非難したと、デンマーク紙ユランズ・ポステンが伝えた。

グリーンランド自治政府のキム・キールセン首相は以前に、「グリーランドは売り物ではないが、アメリカを含め他の国々との貿易と協調には、喜んで話し合いに応じる」と述べている。

デンマーク政府は売買話をすぐさま一蹴したが、グリーンランドにおける米軍のプレゼンスをめぐっては、米政府との連携を密にするため協議を行うつもりだった。

大西洋と北極海の間に位置するグリーンランドは戦略的に重要な島だ。島の西北部にある米空軍のチューレ基地からは、北米に向かう大陸間弾道ミサイル(ICBM)を早期に探知できる。

今後、米軍のグリーンランドにおけるプレゼンスの拡大は「避けられない」と、フレデリクセン首相は語っている。

「(地球温暖化で氷の融解が進む)北極海ではここ数年、幸いにも平和的な開発が行われている。あらゆる理由から、世界は今後もこの動きを支持すべきだ。しかし一部の国々が北極海に関心を示し始め、安全保障面に影響がおよんでいる。これに対しては断固たる対応が必要だ」と、フレデリクセンは地元放送局TV2のニュース番組で語った。


ブレンダン・コール


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