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香港デモ、謎のサイトが破壊行為の犯人の「首」に賞金

ニューズウィーク日本版 / 2019年8月28日 18時45分

<反政府・反中国デモが続く香港で、破壊行為を行ったデモ参加者のクビに高額の賞金をかける謎のウェブサイトが登場した。これはデモ隊の萎縮を狙った事実上の密告制度か>

大規模な反政府デモが続く香港で、マスクで顔を隠して暴力や破壊行為を行ったデモ参加者の身元の特定に役立つ情報に対して報奨金を提供するウェブサイトが立ち上げられた。

活動家が香港の港に中国の国旗を投げ捨てた8月3日の事件にちなんで「803.hk」と名付けられたこのウェブサイトは、反政府デモで実力行使を行った人物を特定するために高額の報奨金を提供していると、ブルームバーグは報じた。そのサイトには、破壊行為の現場写真をリスト化し、それぞれの「賞金」額をずらりと掲示している。

<参考記事>世界が知る「香港」は終わった

このサイトの背後にいるのが何者か、香港や北京の政府とつながりがあるのかどうかは明らかになっていない。同サイトの説明によると、このページは「香港ができるだけ早く平和に戻ることを願うさまざまな職業、地位の人々」によって運営されているそうだ。

また報奨金は民間の資金をもとにしており、今後クラウド・ファンディングで追加資金を募る予定とされ、情報提供者の身元は「絶対に秘密」であることが強調されている。寄せられた情報は、弁護士を通じて香港警察に届けられるという。

<参考記事>危険増す香港デモ 天安門事件の「戦車男」を彷彿とさせる瞬間

すでに逮捕者は800人以上

報奨金の最高額は100万香港ドル(12万7500ドル)で、中国の国旗が引き裂かれて海に投げ捨てられた事件と、中国の出先機関である中央政府駐香港連絡弁公室で中国政府の紋章が黒の塗料で汚された事件の実行犯が対象だ。

次に高い500万香港ドル(6万3750ドル)は、7月の初めに立法会(議会)の建物を荒らし、1000万香港ドル(127万ドル)相当の損害を与えた事件が対象。

香港の返還記念日である7月1日、デモ隊は立法会ビルに突入して破壊行為を行った Tyrone Siu- REUTERS

最も低い20万香港ドル(2万5500ドル)はより軽い暴力行為が対象で、警察車両の破壊、顔認識ポストの破壊、および香港の国際空港での暴力行為の実行犯が含まれる。

現在の香港の法律では、国旗や紋章を冒涜する行為は犯罪とされ、最高3年の懲役または罰金刑が科される可能性がある。

大規模デモが始まった6月以来、これまでに800人以上がデモへの関与を理由に逮捕されており、そのなかにはわずか12歳の子供もいる。逮捕され、起訴されたすべての人々に対する恩赦を要求するデモも発生している。また香港の法曹関係者3000人は、デモ参加者の逮捕・起訴は「政治的意図に基づくもの」と訴え、即刻解放を訴える行進を行った。

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