英議会閉会の決断はジョンソンの計算ミス
ニューズウィーク日本版 / 2019年9月3日 19時40分
だがジョンソンがそうした期待を持っているとしたら、EUの立場を見誤っている。EUがアイルランド国境問題をめぐってかたくなな態度を崩さないのは、単一市場とEUの連帯を守るという覚悟の表れだ。EUはぎりぎりまで交渉に応じるだろうが、それは最終的に交渉が決裂した場合にジョンソンの責任だと主張できるからでもある。
政治戦略の面で言えば、議会の閉会はやり過ぎだったかもしれない。ジョンソンはブレグジットをめぐり分裂していた議員らに、議会制民主主義と議会主権を守るという大義の下で結束する理由を与えてしまった。
議会は9月3日にいったん開会するが、そこで事態は急転回するだろうか。一寸先は闇だ。
From Foreign Policy Magazine
<本誌2019年9月10日号掲載>
【関連記事】ボリス・ジョンソン英政権、10月半ばまで議会閉会 「合意なき離脱」ごり押しのためのウルトラC
【関連記事】生鮮食品・医薬品が不足、輸出入が滞る......機密文書が暴露したEU強硬離脱の危険度
※9月10日号(9月3日発売)は、「プーチン2020」特集。領土問題で日本をあしらうプーチン。来年に迫った米大統領選にも「アジトプロップ」作戦を仕掛けようとしている。「プーチン永久政権」の次なる標的と世界戦略は? プーチンvs.アメリカの最前線を追う。
ヘレン・フォン・ビスマルク
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
プーチン大統領 「上海協力機構」で結束アピールも…加盟国それぞれに“思惑”
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月4日 17時12分
-
アングル:政権奪還確実な英労働党、成長の障壁撤廃に向けEUと再協議へ
ロイター / 2024年7月3日 7時17分
-
EU首脳会議 フォンデアライエン氏の2期目続投協議へ 欧州議会の承認に不透明感
産経ニュース / 2024年6月27日 20時28分
-
右傾化するヨーロッパと左傾化するイギリス
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月22日 16時0分
-
情報BOX:欧州議会「右傾化」、次の5年でEU重要政策に影響か
ロイター / 2024年6月10日 10時18分
ランキング
-
1バイデン氏“撤退検討”米紙報じる… 民主下院議員25人も撤退要求準備か トランプ氏の対抗馬にハリス副大統領が急浮上【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月5日 11時11分
-
2ウクライナ、東部ドネツク州で激戦地から撤退…ロシア攻撃で「防衛陣地が破壊されたため」
読売新聞 / 2024年7月5日 10時45分
-
3スターマー氏、首相就任=労働党が地滑り的勝利―14年ぶり政権交代・英総選挙
時事通信 / 2024年7月5日 22時6分
-
4米兵事件に遺憾表明 エマニュエル駐日米大使「地域社会に透明性保つ必要ある」
産経ニュース / 2024年7月5日 15時50分
-
5焦点:ガザ戦後統治は誰が担うのか、イスラエルを悩ます難問
ロイター / 2024年7月5日 18時31分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください