1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

規制改革の大本命「スーパーシティ構想」で、日本の遅れを取り戻せ

ニューズウィーク日本版 / 2019年9月6日 18時50分

――――――――
3 矢嶋康次・鈴木智也『6月閣議決定に向けて議論が加速する「骨太の方針」「成長戦略」』(ニッセイ基礎研究所、研究員の眼、2019年6月5日)



一方で、中国は、個人情報収集が容易、かつ国家主導でとてつもないスピードで物事が決まっていく。社会インフラが一定の水準で整備されている先進国では、先端都市開発のコストに対するリターンが小さく、住民がメリットを感じにくいことも合意を取り付ける妨げとなるだろう。しかし、日本を含む民主主義国家が先端都市計画に向けた合意形成に時間を取られているうちに、他国との差は確実に広がっていく。第四次産業革命に対応した技術と都市開発は、非民主主義国家の独壇場となる恐れがあるのだ。

秋の臨時国会でスーパーシティ構想実現のための法案が成立することが期待されているが、それはスタートラインに立つにすぎない。過去、特区構想に対して批判が集まり、逆風が吹いている。また、個人データの提供に前向きでない日本人の合意形成を築くことは、容易ではないだろう。

実際に、スーパーシティが実現出来るかどうか、そして日本の成長へと繋げられるかは、国、自治体、住民、企業など、様々なステークホルダーが一丸となり進められるかにかかっている。

*この記事は、ニッセイ基礎研究所レポートからの転載です。

[執筆者]
清水 仁志 (しみず ひとし)
ニッセイ基礎研究所
総合政策研究部 研究員・経済研究部兼任

清水 仁志(ニッセイ基礎研究所)


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください