トランプ大統領がツイートした画像から偵察衛星の能力がダダ漏れ
ニューズウィーク日本版 / 2019年9月6日 17時0分
また、投稿された画像の高い解像度も明らかになっている。オランダ電波天文学研究所(ASTRON)の天文学者ケース・バッサ博士は、グーグルアース上の発射場とこの画像に映った発射場を比較し、「解像度は少なくとも1ピクセルあたり10センチと考えられる」との見方を示している。
Google Earth shows that the launch pad is about 60m in diameter, while the launch pad is about 600 pixels wide in the picture. That suggests a resolution of at least 10cm per pixel, as the original image could have had a higher resolution. pic.twitter.com/T7O76Mu5X4— Cees Bassa (@cgbassa) August 30, 2019
国防省関係者がニュース専門放送局「CNBC」に語ったところによれば、国家安全保障局(NSA)や中央情報局(CIA)から国際情勢について大統領が説明を受ける8月30日の「インテリジェンス・ブリーフィング」にこの衛星画像が含まれており、ツイッターに投稿された画像は、衛星画像のコピーをスマートフォンで撮影したものとみられている。
トランプ大統領は、同日、ホワイトハウスで記者団に対し、「我々には画像がある。私はそれを公開した。私にはその権限がある」と主張した。
「敵国にとって、明らかに歓迎すべきことだろう」
しかしながら、本来、機密であるべき衛星画像が公開されたことに懸念を示す声は少なくない。中央情報局の元衛星画像アナリストで、現在ケイトー研究所の研究員であるパトリック・エディントン氏は、ロイターの取材において「米国の最先端の情報収集力を駆使して入手したブリーフィングの画像を大統領がツイートしたのであれば、敵国にとって、明らかに歓迎すべきことだろう」と述べ、「大統領はあらゆる文書の機密を解除する権限を持っているが、ツイッターはこれを実行する手段として正当でなく、責任ある手段でもない」と批判している。
米スタンフォード大学国際安全保障協力センターのアリソン・プッチオーニ氏も、自身のツイッターで「この衛星画像の流布は、機密情報の公開に関する米国の方針から逸脱している。政治的な目的がよくわからない」と懸念を示している。
松岡由希子
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