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香港デモはリーダー不在、雨傘革命の彼らも影響力はない

ニューズウィーク日本版 / 2019年9月14日 17時30分



新たな勢力が登場しては消えていく。その繰り返しが続いた末、今回のデモではついにリーダーという存在が消えたわけだ。これには過去の反省が込められているとされる。第1にリーダーの逮捕によって運動が瓦解する事態を避けるため。第2に雨傘革命末期のような内部崩壊に陥らないようにするためだ。

デモのスローガンの1つにこんな言葉がある。「兄弟よ、各自で努力して山を登ろう」

このスローガンが、思想や手法が異なる相手でも批判せず、それぞれ干渉することなくデモを続けようという方針になっている。かくして、静かに歩いてアピールする人のすぐ隣で、地下鉄設備を破壊するような暴力行為に及ぶ人もいる、多様な表情を持つデモが出来上がった。

今までにはない形態のデモだけに、香港政府や警察も対策に苦慮している。リーダーがおらず、政府との妥協を決断する人間も存在しないとあって、終わりが見えない。

<本誌2019年9月24日号掲載>

※9月24日号(9月18日発売)は、「日本と韓国:悪いのはどちらか」特集。終わりなき争いを続ける日本と韓国――。コロンビア大学のキャロル・グラック教授(歴史学)が過去を政治の道具にする「記憶の政治」の愚を論じ、日本で生まれ育った元「朝鮮」籍の映画監督、ヤン ヨンヒは「私にとって韓国は長年『最も遠い国』だった」と題するルポを寄稿。泥沼の関係に陥った本当の原因とその「出口」を考える特集です。




高口康太(ジャーナリスト)


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