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eスポーツは賞金300万ドルの巨大市場に成長中

ニューズウィーク日本版 / 2019年9月27日 17時30分

<世界に3億8000万人の観戦者を擁する巨大市場で、トッププレーヤーやチームの収入も膨れ上がっている>

ペンシルベニア州在住の16歳、「ブーガ」ことカイル・ギアースドーフはこの夏、「フォートナイト・ワールドカップ」で世界チャンピオン(ソロ部門)に輝いた。優勝賞金は......なんと300万ドルに上った。

フォートナイト・ワールドカップは、コンピューターゲームの『フォートナイト・バトルロイヤル』をプレーする腕前を競うeスポーツ大会だ。オンラインで実施された予選には、4000万人以上のプレーヤーが参加し、7月末にニューヨークで行われた決勝では2万人近い観客が会場のアーサー・アッシュ・スタジアムに詰め掛けた。

『フォートナイト・バトルロイヤル』は、プレーヤーがゲーム内のキャラクターを操作して広大な島でバトルを繰り広げ、最後の1人まで生き残ることを目指すアクションゲーム。世界で推計2億5000万人がプレーしている大人気ゲームだ。

爆発的な人気を背景に、フォートナイト・ワールドカップの賞金総額は3000万ドルを突破。ギアースドーフが獲得した優勝賞金300万ドルは、eスポーツの大会で1人のプレーヤーが獲得した賞金では史上最高額となる(大会後の8月10日には、嫌がらせの虚偽通報によりギアースドーフの自宅に警官隊が駆け付ける騒動まで起こった)。

eスポーツ市場は、いま急速に拡大している。世界の総人口約77億人のうち、なんらかのコンピューターゲームを楽しんでいる人は約22億人に上る。このうち約3億8000万人がeスポーツを観戦している。「頻繁に」観戦する人が1億6500万人、「たまに」観戦する人が2億1500万人だ。

トップ選手とトップチームの収入が莫大な金額に達していることは不思議でない。フォートナイト・ワールドカップでは、65~128位のプレーヤーでも5万ドルを手にした。

大ヒットゲーム『リーグ・オブ・レジェンズ』のプレーを競う大会「北米リーグ・オブ・レジェンズ・チャンピオンシリーズ」では、新人プレーヤーでも年俸が32万ドルを超えていると、フォーブス誌は報じている。70%以上のプレーヤーは、複数年契約を結んでいるという。

熱狂はどこまでバブルか

ニュースサイトのビジネスインサイダーに昨年掲載された記事によれば、eスポーツのトップチームは年間売り上げが1000万ドルを超えるという。これは、サッカーのスペイン2部リーグのチームに匹敵する金額だ。

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