「人種差別」スキャンダルで読み解くトゥルドー首相の本心
ニューズウィーク日本版 / 2019年9月26日 12時59分
<ミスター多文化共生を自任するイケメンリーダーの実像が露わに?>
最近、疑惑に足を引っ張られているカナダのトゥルドー首相に新たなスキャンダルが浮上した。問題になったのは黒いカネ......でなく黒い(茶色い)顔だ。
米タイム誌は9月18日、トゥルドーが教師時代の2001年前後、茶色く塗った顔にターバンを巻いた姿で参加したパーティー写真を公開。本人は「深くおわびする」と平謝りした。
2月には贈賄疑惑で起訴された建設会社の司法取引を実現するため、法相に不当な圧力をかけた問題が発覚した。受難続きだが、10月21日の総選挙を前にこの問題は彼の「本心」を読み解くヒントになるかもしれない。
トゥルドーは18年、外遊先のインドでボリウッドスターのような民族衣装を着て観光名所を訪問。現地で「インド人もそんな格好はしない」と冷ややかに受け止められた。
「彼はミスター多文化共生を自任しているが、実際はそうではない」と、ブリティッシュ・コロンビア大学のアネット・ヘンリー教授は言う。
選挙で負ければ、カナダで人工妊娠中絶や銃規制、同性婚の「後退」が起きるかもしれない。
<本誌2019年10月1日号掲載>
※10月1日号(9月25日発売)は、「2020 サバイバル日本戦略」特集。トランプ、プーチン、習近平、文在寅、金正恩......。世界は悪意と謀略だらけ。「カモネギ」日本が、仁義なき国際社会を生き抜くために知っておくべき7つのトリセツを提案する国際情勢特集です。河東哲夫(外交アナリスト)、シーラ・スミス(米外交問題評議会・日本研究員)、阿南友亮(東北大学法学研究科教授)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)らが寄稿。
アッシャー・ストックラー
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