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パリ北駅のピアノから始まったある天才の成長物語

ニューズウィーク日本版 / 2019年9月27日 16時30分

ベルナールいわく、ショパンには誰もが恋してしまう素晴らしさがあり、リストはわずかな狂気と穏やかさを併せ持つ。映画の冒頭のバッハは、スピードと常軌を逸した感じを表現している。「そしてやはり最後は、ラフマニノフの『ピアノ協奏曲第2番』。最高の難易度で、彼がこれを完成させたときの(自信喪失と神経衰弱の克服という)境遇も含め、多くのことを語る曲だ。そんなそれぞれの曲の意味を考えながら、映画の中のふさわしい居場所を考えた」

マチューを見いだし、導くのはピエールだが、実はもっと大きな存在がいる。幼いマチューにピアノを教えてくれたジャック先生だ(ちなみにベルナールにとってのジャックは、何度かその下で助監督を務めたリュック・ベッソン監督だという)。

映画を見た人は、幼い頃に胸を躍らせたもの、自分の中に今も大切に残っている何かについても思いを巡らせるのでは。

IN YOUR HANDS
『パリに見出されたピアニスト』
監督・脚本╱ルドビク・ベルナール
主演╱ジュール・ベンシェトリ、ランベール・ウィルソン
日本公開は9月27日

<本誌2019年10月1日号掲載>

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※10月1日号(9月25日発売)は、「2020 サバイバル日本戦略」特集。トランプ、プーチン、習近平、文在寅、金正恩......。世界は悪意と謀略だらけ。「カモネギ」日本が、仁義なき国際社会を生き抜くために知っておくべき7つのトリセツを提案する国際情勢特集です。河東哲夫(外交アナリスト)、シーラ・スミス(米外交問題評議会・日本研究員)、阿南友亮(東北大学法学研究科教授)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)らが寄稿。







大橋希(本誌記者)


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