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ロシアが初めてSu34戦闘爆撃機から極超音速ミサイル「キンジャール」を発射、その戦術的意味は

ニューズウィーク日本版 / 2023年9月5日 18時55分

ロシアはキンジャールについて、音速の10倍の速さで飛ぶことができる「誰にも止められない」次世代兵器のひとつだと豪語してきた。だが西側の専門家の一部は、キンジャールを「極超音速」ミサイルだとするのは誇大表現だとし、キンジャールはロシアが主張しているほど無敵な兵器ではないと指摘している。

軍事専門家のデービッド・ハンブリングは以前、本誌に対して、キンジャールは軌道修正能力に限界があり、あらゆる兆候が、真の極超音速兵器というよりも「単なる空中発射弾道ミサイルであることを示している」と述べていた。

だがロシアが「きわめて限られた数の」キンジャールしか保有していないとしても、その発射装置がこれまでよりも増えれば、「ロシアがキンジャールを一斉に発射して(ウクライナの)防空システムを圧倒しようとする可能性が出てくる」とハンブリングは4日、本誌に語った。「ロシア政府が国民に対して、自国の技術は今も発展を続けていると納得させるための『いいニュース』を欲しがっているということも、今回の報道の背景にあるのかもしれない」

だがウクライナ軍はこの数カ月で、複数のキンジャールミサイルの撃墜に成功したと発表している。

ロシアも脆弱性に困惑?

ウクライナ空軍の司令官であるミコラ・オレシュク中将は、ウクライナは2023年5月初旬にミグ31Kから発射された「無敵のダガーを撃墜」することに成功したと発表。その後に米国防総省が、ウクライナ軍が運用する米国製地対空ミサイルシステム「パトリオット」がロシアのキンジャールを迎撃したと確認。これについて「ロシア国防省のある高官」はロシア国営メディアで「希望的観測」だと一蹴した。

ウクライナは6月半ばまでに、24を超える「キンジャール」を撃墜したと発表。イギリス国防省は5月半ばにソーシャルメディアへの投稿の中で、ロシアは「キンジャールの脆弱性に驚き、困惑している可能性が高い」と指摘していた。



エリー・クック


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