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ロシア軍、歴史ある「戦場の神」の火が消える危機

ニューズウィーク日本版 / 2023年9月6日 15時45分

「誘導型ではないあらゆる種類の砲弾を100万発生産し、精密弾を数百発しか生産していないのであれば、そこから精密弾の生産を数万発に増やすことはできない」と、ルジンは言う。「さらに、ロシアは砲撃用兵器の減少に直面している。榴弾砲、多連装ロケット砲、そして砲身までもが減っている」

ウクライナ南東部で守勢に立たされているロシア軍は、大砲の威力を発揮するのに苦労している。ウクライナ軍の指揮官たちはロシアの防衛能力を低下させ、最前線の防衛部隊を孤立させるために、数カ月前からロシア軍の火砲を破壊することに照準を合わせてきた。

オランダを拠点とするオープンソースの監視機関オリックスが最近発表した数字によれば、ウクライナ軍は火砲を1門失うごとにロシア軍の火砲を約3門破壊しているという。ロシアはまだ多くの火砲を保有しているが、ウクライナ軍はその優位性を徐々にむしばんでいる。

砲弾の不足に苦しんでいるのは両軍とも同じだ。

ウクライナを支援する西側諸国は、より多くの弾薬の提供を求められており、アメリカとEUは砲弾の生産を大幅に拡大する取り組みを発表した。アメリカは現在、155ミリ砲弾用のクラスター弾を提供している。クラスター弾には破壊的な拡散力があり、ここ数カ月、破壊されるロシア軍の砲の数が増えたのは、クラスター弾の効果だと言われている。

一方ロシアは、砲弾の在庫を補充するために北朝鮮とイランに目を向けている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は2023年初め、イラン政府が砲弾30万発の提供に合意したと報じた。9月後半には北朝鮮の指導者金正恩総書記のロシア訪問が予定されており、北朝鮮がロシアにより多くの砲弾を提供する可能性もある。



デービッド・ブレナン


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