クリミアを守るためにはプーチンが手段を選ばない理由
ニューズウィーク日本版 / 2023年9月11日 17時17分
もっとも、ロシア軍はひどい打撃を受けている。黒海艦隊も例外ではない。
昨年は黒海艦隊の旗艦のミサイル巡洋艦「モスクワ」がウクライナ製の地対艦巡航ミサイルで撃沈された。ロシアの軍艦は今も定期的に黒海海域からウクライナの都市に向けて巡航ミサイルを発射しているが、対艦ミサイルの射程内には入らないように注意している。
「ロシアはクリミアに兵士を集め、軍備を増強し、黒海一帯を支配するためにあらゆる手を尽くすはずだ」と彼は付け加えた。
ウクライナは、クリミアをはじめとするロシア占領地をすべて解放すると言ってきた。だが、クリミアはプーチンの新たな帝国主義で重要な位置を占めていることから、クリミアの支配が危うくなれば、核兵器の使用にもつながるのではないか、という懸念が強まっている。ロシアの核ドクトリンは、「国家の存立が危うくなったとき」には大量破壊兵器を使用する可能性を示唆している。
ドミトリー・メドベージェフ前ロシア大統領兼首相は、もはや閣僚ではないが、最近では最も声高なタカ派の一人だ。今年初め、クリミアが脅かされた場合、「核抑止の基本ドクトリンに規定されているものを含め、あらゆる防護手段を用いる」と発言している。
デービッド・ブレナン
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