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死してあらわになった、ロシアにおける「プリゴジン人気」の虚像と実態

ニューズウィーク日本版 / 2023年9月12日 15時42分

私のある友人は、19年にアフリカで飛行機が墜落した際、当初は死者の中にプリゴジンが含まれていたという報道があったと語った。別のロシア人は、22年にウクライナの激戦地ルハンスク(ルガンスク)州でプリゴジンが殺されたという噂がソーシャルメディアを駆け巡ったと教えてくれた。

あるジャーナリストによると、今回の墜落事故で死亡したとされるプリゴジンらワグネルの最高幹部3人は、これまで一度も同じ飛行機に乗ったことがなかったという。もし何かあれば、ワグネルが一気に崩壊してしまうからだ。

同僚のロシア人教授は、ロシア人は神話や陰謀の種を探すのが好きだと言った。プリゴジンの墓の近くには、旧ソ連の詩人ヨシフ・ブロツキーの謎めいた詩の一節が掲げられていた。「何も分からず、心も決まらない/お前は私の息子か、それとも神か/つまり、死んだのか、生きているのか」

ある識者は、プリゴジン生存説を信じるロシア人が16%と比較的少ないのは、プーチンに反旗を翻した直後に、彼は死ぬだろうと誰もが考えていたからだと言った。「王を襲うなら、ゆめゆめしくじるな」ということだ。もし失敗すれば、自分の命で代償を支払うことになる。




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