ロシアの新しい歴史教科書は陰謀論がてんこ盛り...ウクライナに関する嘘が満載──その驚愕の内容とは?
ニューズウィーク日本版 / 2023年9月13日 12時40分
全編にわたって強調されるのは、ロシアという国の「見え方」だ。不都合な話題に触れるときは必ず、悪いのはロシア(または当時のソ連)ではないと説き、卑劣な西側諸国がロシアを悪者に仕立てているだけだと教える。
ベルリンの壁の建設もソ連時代の粛清や集団移住も、それがロシアの見え方をどう変えたかという視点で記述される。この世界には自然に起きることなど一つもなく、全ての出来事の裏には何らかの隠された意図がある──そういう陰謀史観だ。
プーチン政権のやること全てを美化して描くこの教科書は、どう見ても暗いロシア経済の先行きと国際的孤立でさえ、明るい未来の先駆けだと説明している。「外国企業が撤退した後には新たな市場が目の前に広がっている」。この教科書は生徒たちにそう告げる。「君たちのキャリアを築き、事業を立ち上げる絶好のチャンスだ。今のロシアにはチャンスがあふれている」
もちろん、卒業後に徴兵令状が来て、どこかの国の焼け野原で占領地を守るためと称して塹壕に放り込まれなければの話だ。しかし戦場に立つ若者は気付くだろう。自分たちが嫌われているのは誰の陰謀でもなく、自国の政府のせいだという事実に。
From Foreign Policy Magazine
Russia has rewritten 50 years of history: its new textbooks are full of lies about Ukraine.The textbook for 11-graders has all the narratives from Putin's speeches, like a copycat. A few selected quotes:"Russia's strengthening in the early 2000s did not suit the US";... pic.twitter.com/hDiLznZCZ4— Anton Gerashchenko (@Gerashchenko_en) August 8, 2023
アレクセイ・コバリョフ(ベルリン在住ジャーナリスト)
この記事に関連するニュース
-
プーチンの本当の狙いはウクライナの領土ではない…小泉悠「ロシアの軍需工場を狙わないと最悪の結末になる」
プレジデントオンライン / 2024年7月5日 9時15分
-
戦後、日本が「分断国家」にならずに済んだ深い事情 「米軍による占領」と引き換えにソ連が得たもの
東洋経済オンライン / 2024年7月2日 20時0分
-
「侵攻の引き金」を引いたウクライナの"失策" 対立の根底には2つの「ロシア人像」がある
東洋経済オンライン / 2024年6月25日 20時0分
-
プーチンはスターリンの「21世紀の生まれ変わり」だ 「スターリン秘録」著者 斎藤勉
産経ニュース / 2024年6月23日 10時0分
-
【1990(平成2)年6月12日】ロシア連邦共和国が主権宣言
トウシル / 2024年6月12日 7時30分
ランキング
-
1新興国結束で米に対抗=ベラルーシ加盟、次回中国―上海協力機構
時事通信 / 2024年7月4日 20時6分
-
2討論会の失態「気の毒に思う」 バイデン氏の生まれ故郷の町
AFPBB News / 2024年7月4日 19時59分
-
3英総選挙の開票始まる、出口調査は労働党大勝 14年ぶり政権交代でスターマー首相誕生へ
産経ニュース / 2024年7月5日 7時2分
-
4ウクライナ軍、ドネツク州要衝の一部地区から撤退 ロシア軍侵入
ロイター / 2024年7月4日 19時8分
-
5ウクライナ、東部ドネツク州で激戦地から撤退…ロシア攻撃で「防衛陣地が破壊されたため」
読売新聞 / 2024年7月5日 10時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)