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慰安婦問題を巡る日韓の対話──ソウルで歴史的なシンポジウムが開催された

ニューズウィーク日本版 / 2023年9月15日 14時30分

親日派は日本贔屓、知日派は日本の立場には立たないが理由のない盲目的な日本批判は行わない、新親日派は捏造や歪曲に基づく反日は韓国にとって良いことではないと考える違いがある。

反反日派の活動と目的

反反日団体は2020年6月24日以降、毎週水曜日に旧日本大使館前で正義連(正義記憶連帯)の解体や慰安婦像の撤去を求めるデモを行なっている。正義連の前身である挺対協が、宮澤喜一首相が訪韓した1992年から毎週デモを行なってきた「水曜集会」と同じ時間の同じ場所である。
2020年5月、元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さんが、正義連と前理事長の尹美香氏の不正疑惑を暴露したのをきっかけに、反反日団体が立ち上がり、親日派らが加わった。

反反日派は時間がないという。現在、生存している慰安婦は9人で平均年齢は94.4歳。韓国人は元慰安婦の生活を支援しようと多額の寄付を行なってきたが、李容洙(イ・ヨンス)さんの暴露で、元慰安婦の手にほとんど渡っていなかったことが判明した。

生存者がいなくなると、信頼を失っている正義連は、活動意義も失って事実上の解体に追い込まれるだろうし、そうなれば慰安婦像の撤去も時間の問題となるだろう。

慰安婦像は正義連の前身である挺対協が設置した。反日派が像の横にテントを張って監視をしてきたが、管理者がいなくなった道路占有物は、道路管理者である区が安全上の理由から撤去するのが通例だ。

9月6日-反日派と慰安婦像

9月6日-旧日本大使館前で行われた反反日派の集会

反反日派と関係なく正義連が活動を停止し、像が撤去されると反反日派の主張が有耶無耶になる可能性がある。反反日派のあるメンバーは元慰安婦の生存中に少なくとも旧日本大使館前に設置された慰安婦像の撤去が目標と話す。

隣り合って同時に行われる反日派の集会と反反日派の集会に、市民が気に留める様子はない。集会は昼12時から13時に行われる。近隣のオフィスビルの人たちは、集会を気に留めることなく昼食を摂るため食堂に向かい、昼食後もそのままオフィスに戻る。ごく一部の人だけが、シュプレヒコールや歌といったパフォーマンスを遠巻きに眺めている。昼食後の残った昼休み時間にショーを見ている感覚だろう。両団体の衝突に備えて警備する50人から60人の警察官も多くが手持ち無沙汰で、時間が経つのを待っている。

慰安婦被害者の現状

韓国メディアは元慰安婦を「慰安婦被害者」と表記する。証言によると元慰安婦らは1年から2年余り、慰安所で生活したという。挺対協が発足した1992年から現在まで30年余り、反日団体や反日政権に振り回され、また元慰安婦とは関係ない第三者がカネを得る手段にされてきた。これまでの人生や日常の生活が多くの人々の目に晒され、プライバシーが剥奪された「被害者」ともいえそうだ。



佐々木和義


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