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これぞ「王室離脱」の結果...米NYで大歓迎された英ウィリアム皇太子、弟夫婦が受けた扱いとの違いは歴然

ニューズウィーク日本版 / 2023年9月24日 13時0分

ウィリアム皇太子が消防士らと話し合ったのは、緊急対応者のメンタルヘルスについてだった。ウィリアム皇太子は、かつてイギリス軍の捜索・救助ヘリコプターやドクターヘリのパイロットとして任務に就いていた時に、トラウマからうつ状態になって以来、祖国イギリスでメンタルヘルス問題に熱心に取り組んでいる。

消防士たちの心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、自殺問題に関する意識向上についてウィリアム皇太子と語り合った同署のドリュー・ケイン副隊長は、『ピープル』誌に対してこう語っている。「(ウィリアム皇太子が)こうした問題についてよく理解していることは明らかだ。本人とじかに接すると、自らの実体験をもとに話しているということがよくわかる」

ウィリアム皇太子はその後、消防署前の道路に姿を現し、集まった人たちと交流した。このために、警察は消防署前のリバティ・ストリートを通行止めにしていた。

「I Love NY」と書かれたTシャツをプレゼントとして差し出されると、ウィリアム皇太子はそれを受け取って、付き人に渡していた。また、3人の子どもたち(ジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子)をニューヨークに連れてきたいかと問われると、「いつかぜひそうしたい」と応じた。

パパラッチに追われたヘンリー王子とメーガン妃

一方、ヘンリー王子とメーガン妃が直近でニューヨークを訪問したのは5月のことだ。「女性のためのミズ財団(Ms. Foundation for Women)」が催した「ウィメン・オブ・ビジョン賞」をメーガン妃が授賞。ジーグフェルド・ボールルームで開催された授賞式に夫妻が出席した後に、騒動が起きた。

メーガン妃は、コロンビア人デザイナー、ジョハンナ・オーティズによる黄金色のドレスに身を包んだ、あでやかな姿で登場した。しかし、レンタカー会社ハーツの事務所を通り抜けるという会場入りは華やかさに欠けていたし、会場を離れる際にはより大きな騒動が起きた。

夫妻の広報担当者は、夫妻はパパラッチに2時間以上も追いかけられ、「大惨事寸前」のカーチェイスに巻き込まれたという声明を発表した。このとき、ニューヨーク市警察は夫妻の警備について重視しておらず、夫妻を追いかけ回すパパラッチを止められなかったか、止めるつもりがなかったかのどちらかであるように見える。

その晩の様子を映した動画を見ると、夫妻が乗った車のあとを1台のパトカーが走っているが、警察の存在感は、ウィリアム皇太子が消防署の前で人々と自由に交流できるよう道路を通行止めにした今回とは大違いだった。
(翻訳:ガリレオ)


ジャック・ロイストン


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