中央アジアでうごめく「ロシア後」の地政学
ニューズウィーク日本版 / 2023年9月25日 13時0分
中央アジアと南カフカス地方には、ロシアのウクライナ戦争を明確に支持する国は1つもない。同時に、ロシアを孤立させようとする欧米諸国の試みにも加わっていない。むしろこの地域のほとんどの国は、ロシアとの経済関係を拡大させてきた(ロシアが制裁に苦しんでいることに乗じた側面もあるだろう)。
ただ中央アジア諸国も、南カフカス地方の国々のように、最近の地政学的ダイナミクスを受けて外交関係の多角化に努めてきた。カザフスタンやウズベキスタンも、多方面外交を進めている。こうした動向は、これまでこの地域に影響力の足がかりが乏しかったアメリカにとって大きなチャンスだが、同時に、大国間の競争が急激に展開する危険も生む。
中央アジアも南カフカスも伝統的にロシアとの関係が深いことや、両地域の間でつながりが拡大していることを考えると、南カフカスの情勢不安がたちまち中央アジアに飛び火する可能性はある。その逆もあり得る。
アメリカが今後、中央アジアや南カフカスへの関与を深めていくなら、こうした潜在的な安全保障上のリスクをその戦略に慎重に織り込まなければならない。
From Foreign Policy Magazine
ユージーン・チャオソフスキー(ニューライン研究所研究員)
この記事に関連するニュース
-
ロシア軍のミサイル誤射説も浮上 カザフスタンの旅客機墜落、死者は38人に
産経ニュース / 2024年12月26日 9時4分
-
ゼレンスキー氏が語った戦争の終わり方、そして日本への感謝 千日超えたウクライナ侵攻、その行方は(後編)
47NEWS / 2024年12月24日 9時30分
-
トランプは「冷戦2.0」に勝てるのか?外交での3つの選択肢
ニューズウィーク日本版 / 2024年12月18日 16時31分
-
外交交渉路線に転換したウクライナの胸の内 2024年夏から始まっていた停戦に向けた模索
東洋経済オンライン / 2024年12月18日 8時0分
-
プーチン大統領がカザフスタンを訪問、CSTO首脳会議でキーウの軍事施設などを攻撃する可能性に言及(ロシア、カザフスタン)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月2日 15時50分
ランキング
-
1米が関係改善望むなら応じる用意、次期政権の出方次第=ロシア外相
ロイター / 2024年12月26日 20時12分
-
2バイデン氏がウクライナ支援増強を指示 クリスマス攻撃のロシアを非難、退任前に圧力強化
産経ニュース / 2024年12月26日 17時14分
-
3イスラエル・ネタニヤフ首相がトランプ氏の就任式出席へ 逮捕状を出されて以降、初の外遊か
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月26日 15時13分
-
4ロシア軍のミサイル誤射説も浮上 カザフスタンの旅客機墜落、死者は38人に
産経ニュース / 2024年12月26日 9時4分
-
5ナチスのトンネル、富裕層向けシェルター改造計画に怒り
AFPBB News / 2024年12月26日 18時51分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください