世界で最も深海に住む「奇妙な姿」のタコを発見...世界的なアニメキャラに似た外見からついた呼び名は?
ニューズウィーク日本版 / 2023年9月30日 16時6分
「ダンボオクトパスは、あの有名なダンボの耳に似たひれを使って水中を進み、カイアシ、ワラジムシ、多毛類、端脚類など、さまざまな深海生物を探して丸呑みする」
ダンボオクトパスは、その希少さゆえに、確実に種を存続させる独創的な方法を持っている。ほかのダンボオクトパスに遭遇するめったにないチャンスを生かすため、雌はさまざまな発育段階の卵を持ち運んでおり、受精に適した環境に出会うまで、精子を長く保存しておくこともできる。そして、海底の硬い面に産卵する。
しかし、こんな水圧の高い深海で、彼らはなぜ生きていけるのか。ダンボオクトパスのような深海生物は、人が使っている深海探査艇とは異なり、構造的に高圧に耐える必要はない。
深海の動物が水圧で潰されることがない理由
英サウサンプトン大学の教授で、海洋探査とサイエンスコミュニケーションを専門とするジョン・コプリーは本誌の取材に対し、「深海に暮らす動物たちが、深海の圧力で押しつぶされることはない。私たちの肺のような、気体で満たされた部分がないためだ」と説明する。
「例えば、鉄の棒を深海まで落としても、圧力によって壊れることはない。固体でできていて、圧縮されないのだ。液体も、ほとんど圧縮されない」。つまり、液体と固体だけの深海のタコも、圧力で潰されることはないということだ。
ノーチラスは、珍しい不思議な生き物たちを見つけるため、これからも深海に潜り続ける。「海には約200万種の動物が暮らしているが、生物学者がこれまでに記録したのはその10%程度にすぎない」とコプリーは話す。「私たちは、探査のたびに新種の動物が発見されるペースから、それ以外の『未知の生物』についても推定できる」
「体積で言うと、海の大部分は、水深200メートルより深い『深海』にあたる。海洋生物の少なくとも半分は深海生物と考えて差し支えないだろう。つまり、深海にはおそらく、少なくとも100万種の動物が暮らしているということだ」
(翻訳:ガリレオ)
ジェス・トムソン
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