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「普通の男子高校生の方がうまい」 大学アメフトの試合に「女性選手」が初出場も、プレー内容に批判の声

ニューズウィーク日本版 / 2023年10月1日 7時30分

写真はイメージです dotshock/Shutterstock

<男女には違いがあるから女子スポーツが保護されているのであり、試合では女性であってもタックルを受ける可能性があるとの指摘も>

米ジャクソン州立大学(JSU)のアメフトチームの試合に、初めて女性が出場した。試合でキッカーを務めたこの女性選手だが、ネットで彼女のプレーの様子を見た人たちからの「普通の男子高校生でも、もっとうまい」「もうやめてくれ」といった心無い批判や嘲笑にさらされることになってしまった。

■【動画】「普通の男子高校の方がうまい」...大学で初めて出場した女性アメフト選手の試合での様子

ミシシッピ州にあるJSUのアメリカンフットボールチーム「タイガース」は24日、ベスーン・クックマン大学のワイルドキャッツと対戦した。JSUが勝利を収めたこの試合には、歴史的な瞬間があった。

JSUのサッカーチームに所属する1年生のレラニ・アルメンタ選手が、怪我をした他の選手に代わり、同大学のフットボールチーム初の女性選手として出場したのだ。彼女はまた、歴史的黒人大学(HBCU)ディビジョン1の歴史の中でも初の女性選手と見られる。

しかし、アルメンタ選手の試合映像が公開されると、X(旧Twitter)で彼女のキックをめぐって性差別的な批判が多く上がった。

「あのチームには、もっと上手く蹴れる男性選手が少なくとも25人はいるはずだ」「普通の男子高校生なら、まったくトレーニングしなくてももっと遠くまでボールを蹴ることができる」などとユーザーはコメント。

「彼女の父親は試合のスポンサーなのか? 彼女がピッチに立つ理由は他に思いつかない」という声もあった。

女性が出場すること自体への批判も

テキサス州のラジオ司会者のマーク・デイビスは、女性選手が試合に出場したこと自体を批判した。

「こうしたばかげたことはもうやめてくれ。女子スポーツが保護されるのは、男女の違いがあるからだ。フットボールチームのすべての選手が、ブロックやタックルを受ける可能性がある(ロングリターンになればキッカーもだ)。男性は女性をこのように見ることはできない。もうたくさんだ」

一方、アルメンタ選手が膝の前十字靭帯(ACL)を損傷しながらも試合に出場したとして、彼女を擁護する意見も寄せられている。あるユーザーは、「彼女は脚にサポーターをしている。挑戦したことに賞賛を送りたい」とたたえた。

別のユーザーは、カリフォルニア州ベンチュラ出身のアルメンタ選手についてこう述べた。「彼女は私の町の高校に通い、フットボールを始める前のサッカーの練習でACLを断裂し、4年生ときはずっとサポーターなしでフットボールをしていた」

「私がいることを快く思っていない男子選手もいた」

アルメンタ選手は2021年に初めてフットボールの試合に出場した後、ベンチュラ・カウンティ・スター紙のインタビューで、この競技との出会いについてこう語っている。「高校に入る前は、フットボールに触ったこともなかった。私ならできると思ったし、キッカーとしての自信もあった。だから挑戦してみたかった」

当初は挑戦することに不安もあったが、見事に先発キッカーの座を射止めた。「すべてが不安だった」とアルメンタ選手は述べた。「それまでやったことのないスポーツで、大勢の男子とプレーしたのだから。私がいることを快く思っていない男子も何人かいたが、自分にできることを証明したかった。私は自分を信じている」



ライアン・スミス

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