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ワグネルの精鋭部隊はプリゴジンの息子(25)の指揮下でウクライナに戻る

ニューズウィーク日本版 / 2023年10月5日 11時42分

謎の飛行機事故で不慮の死を遂げたプリゴジンの墓(8月30日、サンクトペテルブルク)

<「プリゴジンの乱」以来、ウクライナから撤退していたワグネルの精鋭部隊は、パベル・プリゴジンが束ねて指揮する形でウクライナでの戦闘に復帰する>

【写真】札束、金塊、クローゼットに並ぶ意外なもの...プリゴジン邸で撮影されたもの

民間軍事会社ワグネル・グループの創設者である故エフゲニー・プリゴジンの息子パベルが、本格的にウクライナ侵攻に参加するワグネルの精鋭部隊を引き継いだという情報が、ロシアのSNSテレグラムで伝えられている。

8月23日にエフゲニー・プリゴジンが原因不明のプライベート・ジェット機墜落事故で死亡して以来、ワグネルが今後、ウクライナ戦争とどう関わるかは明らかになっていない。

プーチンがワグネル司令官を登用

ワグネルはプリゴジンの指揮下で、ウクライナ東部バフムトで数カ月に及ぶ戦いの先頭に立ってきたが、6月24日にロシア軍幹部に対して反乱を起こした後、ロシア政府によってウクライナから撤退させられている。

プリゴジンとワグネルによるモスクワへの「正義の行進」が未遂に終わった後、一部の戦闘員は隣国ベラルーシに追放され、一部はロシア国防省との契約を提示された。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今年7月、ワグネルは「存在しない」し、ロシアには民間軍事会社に関する法律も存在しないとみずから語った、とロシア紙コメルサントが報じている。

だがその点については疑問の声があがっている。ロシア政府は9月28日に、プーチンがワグネルの司令官だったアンドレイ・トロシェフと会談し、ウクライナで「さまざまな戦闘任務」を遂行できる「志願兵部隊」の創設について協議したと発表したからだ。

 

ロシアのニュースメディアMK.ruは10月2日、傭兵グループとつながりのあるテレグラム・チャンネルの投稿を引用し、ロシア国防省と契約を結んでいない3個のワグネル突撃部隊が、ウクライナの戦闘に参加するため、すでにアフリカを出発したと報じた。

あるテレグラム・チャンネルによると、ワグネルの戦闘員たちは、ワグネル内部の指揮系統を維持し、パベル・プリゴジンがウクライナでその指揮を執る協定に調印する可能性があるという。

MK.ruは軍事専門家の話として、アフリカから帰ってくるワグネルの部隊の最初の任務は、ウクライナ領ドンバス地方東部の都市アヴディーイウカの占領になるだろうと伝えている。この都市はバフムトの南約90キロ、ロシア占領下のドネツク州のすぐ北に位置している。

ワシントンのシンクタンク戦争研究所(ISW)は10月1日、ワグネルとロシア政府が今後の協力について交渉していると報道されてはいるが、ワグネルの立場は依然として不透明だと指摘した。

「ワグネルの主要な戦闘部隊は、ベラルーシ、中央アフリカ共和国、リビア、マリなど複数の国にまたがっており、ワグネル・グループ全体を統一するリーダーは存在しない」

一方、ロシア各地の新聞報道などによると、ワグネルをやめた元戦闘員はロシア中で暴れまくり、殺人、誘拐、放火、レイブなどありとあらゆる重犯罪を犯している。

 

<動画>プリゴジンの金と部隊と25歳の息子パベル




イザベル・ファン・ブリューゲン

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