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インドネシア大統領選、顔ぶれほぼ確定 最有力候補は大統領長男を副大統領に指名

ニューズウィーク日本版 / 2023年10月23日 16時11分

どうなる今後の展開

2014年、2019年の大統領選でジョコ・ウィドド大統領に僅差で敗北したプラボウォ国防相は1998年に崩壊した長期独裁政権を築いたスハルト大統領の女婿(すでに離婚)であり、陸軍の特殊部隊や戦略予備軍の司令官を務めるなど軍のエリートだった。

スハルト大統領のような強権的で強い指導者を求める国民は多く、各種世論調査ではガンジャル州知事とトップ争いを演じている。

スマトラ島やカリマンタン島、スラウェシ島などでの人気は高く、全国的な知名度がある。

これに対しガンジャル州知事はPDIPが伝統的に強い中ジャワ州、東ジャワ州、バリ州などで圧倒的な人気だが、全国レベルではプラボウォ国防相には及ばず、僅差での接戦が予想されている。

アニス前知事は世論調査でガンジャル州知事、プラボウォ国防相には水を開けられ常に3位に甘んじている。以前、教育文化相を務めている時代に汚職の疑惑が取り沙汰されたこともあり、全国的な支持や人気はガンジャル州知事やプラボウォ国防相には「遠く及ばない」のが現状だ。

大統領候補の届け出を受けて11月28日から2024年2月10日までの長期間の選挙キャンペーンを経て2024年2月14日に投票が行われることになっている。

インドネシアの大統領選挙はフィリピンのように正副大統領のペアがそれぞれ独自に投票を受けるのとは異なり、ドゥテルテ比前大統領時代に副大統領として野党のレニー・ロブレド氏が選出され正副大統領のバランスを取ったような事態にはならない。

インドネシアは正副大統領のペアを有権者が選ぶ方式で副大統領候補の人選が重要と言われている。

総選挙法では2017年に「正副大統領候補のペアは得票の50%を獲得し、なおかつ全州のうち少なくとも半分以上の州で最低20%を得たら当選となり、そうでない場合は上位2候補者による決戦投票を実施する」と規定されている。

現状ではプラボウォ国防相が勝利するか、ガンジャル州知事が決戦投票に持ち込むかが焦点となっている。

大塚智彦


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