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アメリカがウクライナを見捨てる日...米大統領選が戦争の結果に影響か?

ニューズウィーク日本版 / 2023年10月25日 14時30分

前回大統領選でのバイデンとトランプの討論会(2020年10月) JIM BOURGーPOOLーREUTERS

トランプは7月のFOXビジネスのインタビューでウクライナ問題について発言。「私ならゼレンスキーに『もう援助しない、取引しろ』と言い、プーチンには『取引しないとゼレンスキーに多くを与える』と言う。1日で取引成立だ」と明言した。

しかしトランプは具体的なことは語らず、デサンティスの考えはそれ以上に不明だ。今年3月、FOXニュースのタッカー・カールソンが共和党の大統領選の候補者らに送った質問状へのデサンティスの回答は、ウクライナ戦争に総じて無関心であることをうかがわせた。

カールソンは各候補の回答をツイッター(現X)に投稿。デサンティスはウクライナとロシアの領土争いへの関与を深めることはアメリカの大きな国益にはならないと回答していた(彼は10日後に発言を修正。「ロシアが侵攻したのは明白であり、誤りだ」とし、プーチンを「戦犯」と呼んだ)。

共和党は「トランプ一強」状態

共和党の極右議員も、アメリカがウクライナ問題に関与することをますます公然と軽視するようになっている。下院では7月、共和党議員89人がウクライナへの軍事支援を3億ドル削減する予算修正案に賛成票を投じた。それとは別に、今後ウクライナに対する全ての軍事援助を停止する案には共和党議員70人が賛成票を投じた(いずれも成立せず)。

多くの共和党支持者も、アメリカの対ウクライナ支援は過大だと考えている。ピュー・リサーチセンターの6月の調査では、「過大」と回答した人は共和党支持者と共和党寄りの無党派層では1年前の12%から44%に上昇。一方、民主党支持者と民主党寄りの層ではわずか14%だった。

共和党の孤立主義勢力がアメリカの対ウクライナ援助の削減、ひいては停止への意欲を募らせている状況は、共和党がロシアのウクライナ侵攻に対するバイデンの「弱腰」を非難してきたことと矛盾している。

昨年2月にロシアが侵攻を開始して以来、バイデン政権はウクライナ政府に430億ドルの軍事支援を実施、ウクライナはHIMARS(ハイマース)やパトリオットミサイルなど、より高性能な兵器システムを手にしてきた。ただし、それは何カ月も議論を重ねた末、時にはヨーロッパの同盟国から説得された末だった。

「アメリカは他のNATO加盟国と同じく、ウクライナの主権と領土保全の全面回復を目指しているとバイデン政権は主張する」と、トランプ前大統領の補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトンは言う。「問題は、そのために何を提供するかだ」

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