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日本のテレビは幼稚なのに、専制国家イランは政府批判を堂々放送...違いはどこから?

ニューズウィーク日本版 / 2023年10月26日 17時5分

イラン女性の人権問題でニュースになったように、声を上げる人は逮捕され投獄されるケースも多い(検挙されるかどうかの線引きは実に曖昧だ)のだが、それをかいくぐって発言するテレビ出演者は多いし、テレビ局もそれを容認する。政府が厳しい社会であるからこそ、テレビは声を上げて批判をし、視聴者もそれを支持する。イラン人も新しいもの好きで、食べることが大好きだが、日本のような食べ歩き一辺倒、アイドル一辺倒の番組構成はあり得ない。

では、日本は平和で社会問題もなく、多くの人が幸福に暮らしている社会だから、こんなにフワフワした番組ばかりが制作されるのだろうか。そんなはずはない。日本にも社会問題はある。経済格差、教育現場の疲弊、福島第一原発の処理水、少子高齢化、子供の貧困や虐待、政府の債務の拡大。どれも一朝一夕に解決できるものではないし、考えると気持ちが暗くなるが、それでももっと番組で取り上げられ、真剣に議論され、ドラマのテーマにもなるべき問題だ。

ただそのような番組を制作しても、もはや高い視聴率は望めないのかもしれない。そういった番組は日本では望まれていないのだろうか。日本人が物を考えなくなったからテレビが幼稚になったのか、テレビが幼稚だから日本人が物を考えなくなったのか、どちらだろう。

石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」 Twitter:@IshinoShahran




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