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いまアメリカでこれだけパレスチナ支持が広がる深刻な理由

ニューズウィーク日本版 / 2023年10月26日 18時16分

いまアメリカの大学やソーシャルメディアで罵詈雑言が飛び交っていることに関して最も気がかりな点は、社会での対話から礼節が失われてしまったことだ。私はつい最近、70カ国の学生たちと一緒に1週間過ごした。パレスチナを含む中東出身の学生たちは、イスラエルの軍事行動により多くの民間人が死亡したことへの憤りを口にしたが、おおむね冷静に理性的に発言していた。

そうしたなかでパレスチナ人を含む中東の学生たちが最も感情を高ぶらせたのは、ロシア・ウクライナ紛争とイスラエル・パレスチナ紛争の扱いの違いを指摘したときだった。2つの紛争の図式はほとんど違わないのに、両者の扱われ方が違いすぎると、学生たちは考えていた。その上、パレスチナがロシアと重ね合わせた扱いをされていることに激しい怒りを感じていたのだ。

地政学的な議論は本稿の主題ではないが、はっきり言えることが1つある。議論する際は、敵対者の善意を信じ、できるだけ広い心で相手の言葉に耳を傾けるべきだ。議論と対話を閉ざせば、流血を止める手だてが失われる。暴力の悪循環を断ち切りたいと思うのであれば、相手の視点を知ることが不可欠だ。

【動画】ハーバード大学の構内でガザへの連帯を叫ぶ

ハーバード大学の構内で1000人以上がガザ地区のパレスチナ人への支持を訴えた(10月14日) The Harvard Crimson

    

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