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親イランのフーシ派が3度イスラエルを攻撃?うち弾道ミサイルは最先端防空システム「アロー」が迎撃

ニューズウィーク日本版 / 2023年11月1日 16時20分

イエメンの首都サヌア近郊に集まったフーシ派の戦闘員(10月31日) ガザ地区との連帯を示すパレスチナの旗も見える(緑色が入った旗) Houthi Media Center/REUTERS

<中東紛争の拡大を辛うじて封じ込めたのは、弾道弾をも撃ち落とすイスラエルの最先端防空システムだった>

イスラエル国防軍(IDF)は10月31日、「紅海方面」から、イスラエル南部のリゾート地エイラートに向けて発射されたミサイルとドローンを迎撃したと発表した。イエメンの親イラン派武装組織フーシ派が、攻撃したのは自分たちだと主張しており、イスラム組織ハマスに対する「イスラエルの侵略」が続けば、さらなる攻撃があると警告している。

「アイアンドーム」では足りなかった。イスラエルの空の守りを完成させた防空ミサイル「アロー3」のすべて

IDFによれば、イスラエル領土に向けて発射された地対地長距離弾道ミサイルを、イスラエルの防空システム「アロー」が迎撃したほか、他の2発の巡航ミサイルと複数のドローンをイスラエル軍の戦闘機が迎撃したという。イスラエルが弾道ミサイルを撃ち落とす「アロー」を実戦で使用したのは、10月7日の開戦以来初めてだ。

未遂に終わった10月31日の攻撃を含めて、フーシ派は過去3週間で3度、イスラエルに攻撃を仕掛けたと見られている。10月19日には、米海軍のミサイル駆逐艦「カーニー」が、イエメンの海岸付近で、イスラエルを狙ったと見られる複数の発射体を撃墜した。10月27日には、フーシ派がイスラエルをドローン攻撃しようとして失敗、エジプトの2つの町に墜落したと、IDFが非難している。

これらはすべて、イスラエルがガザ地区で地上侵攻を続けるなかでの出来事だ。イスラエル軍は、ガザ地区の地下にハマスが張り巡らした大規模なトンネルシステムの北部に狙いを定めた。ハマスが10月7日の奇襲でイスラエルで捕えた人質のうち、残された約235人の一部がそこに収容されていると、IDFは考えている。10月31日の作戦の前日、IDFは、誘拐された兵士の救出に初めて成功した。ハマスの武装勢力は、これまでに4人の人質を解放している。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は10月30日、危機対応の拙さから辞任要求を受けたが、これを退けた。国際社会の停戦提案についても、ハマスに降伏するようなものだと述べて否定した。逆に、ハマスを壊滅させる戦いへの支援を求めた。

アメリカではジョー・バイデン政権が、支援の獲得に奮闘している。アントニー・ブリンケン国務長官と、ロイド・オースティン国防長官は10月31日、イスラエルとウクライナ両国へのさらなる支援を議会に訴えた。オースティンは、「侵略やテロリズムに対する現在の戦いは、これから何年にもわたって、世界の安全保障を決定づけるだろう」と述べた。「そして、米国の確固たる指導力のみが、世界中の暴君や悪党、テロリストのさらなる侵略や残虐行為を阻止できる」

ブリンケンは、ロシアや中国といった米国の敵対国が、米国は世界的な危機を「もぐらたたき」していると主張できないよう、イスラエルとウクライナ両国を支援することの重要性を強調した。ロシア政府に対して甘い対応をとれば、ロシア軍は、イランが西側諸国に対して攻撃するのを助け、イスラエルの長期的な安全保障がさらに損なわれるだけだ、とブリンケンは述べた。

(翻訳:ガリレオ)

From Foreign Policy Magazine

 



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