耳の中で何か動いてる! 「異音」訴えた台湾女性の耳の穴を「巣」にしていた生き物を発見:動画閲覧注意
ニューズウィーク日本版 / 2023年11月4日 13時6分
<ある朝、目が覚めると耳の中で何かが動いているのを感じた女性...病院で耳の中を見てみると、元気に動き回る生き物の姿を発見>
台湾在住の女性が、ホラー映画さながらの恐怖体験を味わった。衝撃の事実が発覚したきっかけは、この女性が「数日前から左耳の奥で奇妙な音がする」と台南市立病院を受診したことだった。調べてみると、なんと小さなクモが耳の穴の中を巣にし、そこで脱皮までしていたのだ。穴の中で元気よく動き回るクモの様子は動画に収められ、人々に衝撃を与えている。
■【動画】これは悪夢...耳の中を巣にして活発に動き回るクモの様子...傍らには「抜け殻」も
有力医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに掲載された事例報告によれば、医師がこの64歳の女性の耳を調べたところ、耳の中にクモが住みついており、近くには脱皮したとみられる外骨格も見つかった。
クモは成長の過程で脱皮する。外骨格は硬い組織(キチン)でできており、クモの体が大きく成長しても外骨格は大きくならない。そのためクモは外骨格を脱ぎ捨て、新たな外皮がまた硬くなるまでの少しの間は無防備な状態が続く。捕食者から身を守ることができる暗くて隔絶された場所――たとえば耳の中――は脱皮をする場所として理想的だ。
医師は事例報告に、「初めて症状が出た日、彼女は左耳の中で何か生き物が動いているような感じがして目が覚めた」と記し、さらにこう続けている。「その後は何かを叩くような音やガサガサという音が絶え間なく続き、不眠症になった。検査を行ったところ、左耳の外耳道の中で小さなクモが動いているのが見えた」
「睡眠中にクモを飲み込んでいる」は都市伝説?
クモの種類は明らかにされなかったが、女性の外耳道の中に入り込める直径5ミリ程度の小さなクモだったということだ。クモの横には、脱皮の後に残された古い外骨格が転がっていた。
女性の診察に関わった医師の王腾钦は本誌に対して、「クモが人間の体の中に入り込むのは珍しいことではない。クモは通常、暗い場所を見つけて脱皮する。だから脱皮後もそこに残っていたのだろう」と語った。
人は寝ている間に1年間で8匹のクモを飲み込んでいるという都市伝説があるが、クモが夜間に人の口の中に侵入してくることはほとんどない。
米シアトルにあるバーク自然史・文化博物館のクモ形類担当学芸員であるロン・クロフォードは、科学誌サイエンティフィック・アメリカンに対し、「クモはとりわけ震動に敏感に反応する」と指摘。「眠っている人間は、クモが近づきたがる存在ではない」
もっと大きな虫の場合の処置は?
幸いにも今回の台湾の小さなクモは、女性に強い恐怖感を与えたこと以外には、特に害を及ぼすことはなかった。ただクモやその他の昆虫が耳の中に入り込み、外耳道や鼓膜を傷つけることはあり得る。
「過去の複数の事例報告によれば、毒を持つ生き物が人間の耳の中に入り込み、外耳道の皮膚に傷をつけたり毒を出したりして害を及ぼすこともあった」と王は述べた。
医師たちは吸引器を使って女性の耳からクモを取り除き、女性はクモが原因で聞こえていた奇妙な音からようやく解放された。
「もっと大きなクモや昆虫が外耳道にいる場合には、リドカインやエタノールを注入して殺してから取り除く方がいい。虫が暴れたり、それによって耳の中の構造が損傷を受けたりするのを防ぐためだ」と医師たちは事例報告に書き、さらにこう続けた。「だが鼓膜が破れている場合は、耳の中に液体を注入すべきではない」
ジェス・トンプソン
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