解雇した「当たり屋」社員に裁判で負け、3000万円を失った。労働者は常に「弱者」だと言えるのか
ニューズウィーク日本版 / 2023年11月7日 19時20分
そして先日、地裁の判決が出て、私は敗訴した。裁判官からは「採用を決めたのはあなた自身」という趣旨の話をされた。本当かどうか分からないが、弁護士の説明によれば、「労働者の味方」をすると出世に有利に働くため、裁判官にバイアスが働くのだという。敗訴と驚くべき金額の支払い命令に納得がいかなかったが、控訴には踏み切れず、結局、弁護士費用を含め3000万円近い大金を失った。
昨今、ブラック企業が社会問題となっている。確かに労働者が弱い立場にあるのは事実だろう。だが実際には、労働者側がブラックである場合もあるのだ。詐欺行為が明白なのに、ぬれ手で粟のA。なぜこんなことがまかり通るのか。日本は法治国家ではなかったのか。裁判官の正義はどこにあるのか。「労働者は弱者」という先入観が正義をゆがめたのだとしたら、法治国家の根幹を揺るがす深刻な問題だ。
私には妻と4人の子供がおり、守るべき従業員もいる。「当たり屋」への怒りと日本の司法に対する失望感は到底解消されそうにないが、彼らのためにも自暴自棄になってはいられない。今までどおり、私は今日も法を守り真面目に働いていく。
周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院修了。通訳・翻訳の派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレント、YouTuber(番組名「周来友の人生相談バカ一代」)としても活動。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
O・J・シンプソン事件、大金で雇われた最強の弁護団が覆した世紀の裁判
マイナビニュース / 2024年6月24日 15時0分
-
【無料ウェビナー開催2024.7.2】「元裁判官」弁護士が登壇!今年はどんな企業不祥事が起こったのか? 企業不祥事を発生させない予防策とは?
PR TIMES / 2024年6月18日 11時15分
-
「決定文は人間が書いた文章ではない」元死刑囚の再審棄却に弁護団 10日抗告へ 女児2人殺害の飯塚事件
RKB毎日放送 / 2024年6月5日 12時51分
-
【テキスト付セミナー開催】裁判官×弁護士 企業人事労務のリアル、徹底解説 ~解雇・退職~
PR TIMES / 2024年5月31日 10時45分
-
「私の夫は弁護士なの」と話すママ友。 弁護士って国家公務員ではありませんよね? 給料はピンキリではないのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月29日 6時30分
ランキング
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)