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ウクライナとイスラエルの戦争から台湾が学んだ2つの新兵器

ニューズウィーク日本版 / 2023年11月8日 15時40分

台湾の基隆港に停泊した台湾海軍の船(4月9日) REUTERS/Carlos Garcia Rawlins

台湾は、ウクライナと中東で現在進行中の戦争から教訓を得て、新しい水上ドローンとレーザー兵器を開発しているという。

【動画】ウクライナがFPVドローンでロシアのT-90戦車を破壊...衝撃の爆破シーン

小型ドローンやレーザーを利用した指向性エネルギー兵器をめぐる競争は、将来の戦争を一変させる可能性を秘めている。

台湾の新聞『自由時報』によれば、台湾軍傘下の国家中山科学研究院(NCSIST)は、ロシアとウクライナの戦争を見て、無人水上艦(USV)のプロトタイプ2艇の開発に着手した。

奇襲用に多様な爆弾対応

ウクライナは、2022年に戦争が始まって以来、ロシアの軍艦に対して水上ドローンを効果的に使用している。クリミア半島のセバストポリにあるロシア海軍基地や、ロシアのノボロシースク港への攻撃をはじめ、ロシア軍艦への水上ドローン攻撃を、少なくとも13回行なったと報じられている。

台湾の水上ドローンは、必要に応じて奇襲攻撃にも使えるし、中国軍艦が迫ってきた場合の防御にも使えるデュアルユースを目指すという。

NCSISTが開発しているのは、陸、海、空の無人機と連携する能力を持ちながら、70キロ以上離れた場所から操作できる新しい攻撃型の無人水上ドローンだ。奇襲攻撃ができるよう、さまざまな種類の爆弾を搭載できるようにする。

NCSISTは最近、遠隔操作の新しい標的艦も発表している。開発中の水上ドローンの訓練や実験に使うものだ。

NCSISTのウェブサイトには、無人機は、陸、海、空のシステムと統合され、「近海防衛、攻撃、機雷探知、潜水艦探知」の可能性を解き放つと書かれている。

プロトタイプ2艇が台湾軍の戦闘評価に合格すれば、2026年に水上ドローンの量産が始まる可能性がある。

NCSISTはまた、車両に搭載可能な高エネルギーレーザー兵器の開発も目指していると伝えていると、自由時報は伝えている。

この「ライトニング・プロテクション」プロジェクトが始動したのは2020年のこと。現在、低出力レーザーのテストを終えようとしており、その後、中出力や高出力のレーザー兵器のテストが続く。

台湾はまた、イスラエルのラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズが製造を計画する防空システム「アイアンビーム」からも着想を得ている。アイアンビームは、高出力レーザーでロケット、大砲、迫撃砲、無人航空機システムなどを無力化するものだ。

米軍もストライカー装甲車に搭載する50キロワット級レーザーのプロトタイプを3両、国内で調達しており、陸軍が近くテストを行う予定だ。レーザーを利用した小型指向性エネルギー兵器の開発競争が激化しており、複数の国がレーザーシステムの戦場投入を目指している。

台湾の専門家が米国ニューメキシコ州を訪れ、先述した陸軍のテストを視察する可能性があるとも報じられている。
(翻訳:ガリレオ)

<動画>注目の指向性レーザー兵器「アイアン・ビーム」



アーディル・ブラール

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