「50年ぶり」にアメリカからパンダがいなくなる...中国「パンダ外交」の歴史的転換は何を物語るか
ニューズウィーク日本版 / 2023年11月9日 17時43分
(2)84~2007年、鄧小平の開放政策
1984年、絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)でパンダは附属書1(今すでに絶滅する危険性がある生き物)に格上げされ、基本的に商業目的の取引は禁止される。パンダの貸与を開始。鄧小平が開放政策を進めたため、パンダ外交も地政学重視から市場としての重要性に軸足を移す。
(3)2008年~四川大地震後
四川大地震でパンダの生息地の5.9%が破壊され、67%が影響を受けたため、パンダ外交の対象も絞られる。
ジェプソン博士によると、パンダ外交の第3期は自由貿易協定(FTA)で合意しているか、価値ある資源や技術を中国に提供している国に限定されている。大切なポイントは現在、何頭いるかではなく、パンダがどれだけ中国からやって来たり、帰国したりしているかだという。
ジェプソン博士は中国語で互いに利益を享受できる関係を意味する「グァンシー」に注目する。10年には米国生まれのパンダ2頭が送還されたが、その直前、バラク・オバマ米大統領(当時)はチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と会談すれば対中関係を損なうと警告されていた。
パンダが中国に送還されたり、待てど暮らせどやって来なかったりする背景にはグァンシーの問題もあるようだ。しかし米中対立が深まる中でパンダ外交も新たな第4期に入ったのかもしれない。
この記事に関連するニュース
-
中国、戦狼外交からパンダ外交に? 〝モフモフ外交官〟相次ぎ米国へ 対中包囲網で軟化か
産経ニュース / 2024年7月1日 11時0分
-
中国とオーストリアや米国との新たなパンダ保護協力は人々の友情を増進―中国外交部
Record China / 2024年6月28日 12時50分
-
中国ジャイアントパンダ保護研究センター、国際協力により28年間で31頭のパンダの繁殖に成功
Record China / 2024年6月14日 10時30分
-
世界でパンダフィーバー再び―中国メディア
Record China / 2024年6月8日 16時0分
-
米ワシントンの国立動物園に早くもパンダブーム到来、年内に2頭来訪―香港メディア
Record China / 2024年6月7日 5時0分
ランキング
-
1「わが国には大きなリセットが必要」 英総選挙で労働党圧勝 スターマー首相が就任
産経ニュース / 2024年7月5日 21時30分
-
2シンベト元諜報員が非難 イスラエルの破壊者は「ネタニヤフ首相」
AFPBB News / 2024年7月5日 20時39分
-
3北朝鮮がウクライナに派兵の可能性…ロシア占領地域、プーチン氏が要請か
読売新聞 / 2024年7月6日 5時0分
-
4EU議長国のハンガリー首相が独断で訪露 ウクライナ支援の先行き懸念
産経ニュース / 2024年7月5日 22時55分
-
5ゼレンスキー氏、スターマー英新首相と電話会談 支援継続の確約に謝意
産経ニュース / 2024年7月6日 9時43分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)