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サバンナの真ん中で「車が故障」して立ち往生...怒った巨大なゾウが背後から突進してくる「緊迫の瞬間」

ニューズウィーク日本版 / 2023年11月12日 13時0分

ゾウと遭遇する前、レンジャーは車の異変に気付き、同僚に迎えを頼んでいた。場所は、公園のビジターセンターから車で1時間ほどというところだった。故障の理由は不明だが、すべてが終わった後、公園で使われているツアーカーの多くは状態が良くないとレイネンは聞かされたという。

車は走行不能になり、一行は車を降りることにした。そのとき、ゾウが耳で音を鳴らし、高い声で鳴きながら、10メートルほどの距離からさらに近づいてきた。

レイネンは、「車軸が緩み、タイヤが車から1.5メートルくらいずれていた。レンジャーはすぐ車から降りるよう伝えると、動画の通り、音を立て、ゾウを追い払おうと試みた」と説明する。

「幸運にもゾウは車と荷物の方に興味を示した」

ゾウがこのような反応を見せたのは、間違いなく、一行が道路にいたためだとレイネンは考えている。「ゾウの縄張りから出られなかったことが原因だ」と彼女は言う。「もし私たちが車で立ち去ることができていたら、ゾウはそのまま茂みにとどまっていただろう」

レイネンによれば、一行が歩いて車から離れたあと、「幸運にも、ゾウは車と荷物の方に興味を示してくれた」。一行は、ゾウから目を離さないように気を付けながら、長くまっすぐな道を歩き続けた。

レイネンは次のように振り返っている。「とても怖かった。(ゾウが)襲ってきたら、私たちは何もできないと思ったからだ。また帰り道の途中に、ほかの動物がいるかどうかもわからなかったため、歩き続けることもリスクではあった」

「ゾウはきっと、私たちにいら立ちをアピールして見せただけなのだろう。実際には、彼は私たちを襲いはしなかった。そうすることもできたのに。私たちはサファリパークの真ん中にいて、身を守るものはレンジャーの小さなライフルしかなかった」

車が故障して約50分後、ついに迎えの車が到着した。「全員が無事に避難し、負傷者も出なかった」とレイネンは述べている。
(翻訳:ガリレオ)


スー・キム


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