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ガザ戦争でアメリカは信用を失い、EUは弱体化、漁夫の利を得るのは「意外なあの国々」

ニューズウィーク日本版 / 2023年11月16日 12時4分

だが、今までどおりにいくと思うのは間違いだ。人権だの法の支配だのという私たちの議論に、彼らはますます耳を貸さなくなる。そして中国とアメリカをてんびんにかけて、様子を見る国が今よりも増えることだろう。

付言すれば、今回の不幸な戦争がどう転んでも、アメリカ外交の評判が高まることはない。

10.7の奇襲を防げなかったことで、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の評判は地に落ちただろうが、アメリカ政府も同じく予測できなかったし、その後の対応も(少なくとも今までのところは)お粗末すぎる。

そしてもしも、ウクライナの戦争が不幸な結末を迎えたらどうなるか。

アメリカの信用だけでなく、その判断力も問われることになる。

よその国がアメリカ政府の助言に従うのは、アメリカ政府には確かな情報と判断力と行動力があり、人権にも法の支配にも一定の配慮をしてくれると思えばこそだ。

その前提が崩れたら、誰もアメリカの助言など聞かなくなる。

From Foreign Policy Magazine

スティーブン・ウォルト(国際政治学者、ハーバード大学ケネディ行政大学院教授)


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